女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、2024年5月13日から31日まで第88会期を開きます。アジア地域の国々の審査が多い今会期、委員会はブラジル、エストニア、クウェート、マレーシア、モンテネグロ、大韓民国、ルワンダ、シンガポールの審査を行います。
開会挨拶の中で、人権高等弁務官事務所人権条約部門チーフの Ibrahim Salama 氏は自身が来週で引退することに触れながら、委員会とともに活動ができたことに感謝の意を述べました。また、女性の権利の進展に対する委員会の貢献を讃える一方、それらの進展が覆されようとしていることへの危惧を示しました。
Salama氏は、今年3月に開催された女性の地位委員会第68会期における事務局長の発言を引用し、パワーバランスにおける2つの懸念すべき傾向、すなわち家父長制が台頭していること、そして新テクノロジー、特に人工知能(AI)が男性に支配されていることを指摘しました。事務総長は、政府、市民社会、ハイテク業界に対し、デジタル・ジェンダー格差の是正に協力し、今年9月に開催される未来サミットの中心となるグローバル・デジタル・コンパクトに参加するよう呼びかけました。
意思決定システムにおける女性の平等かつ包摂的な代表に関する一般勧告草案 40 は、こうした懸念に取り組むための草案であり、この作業は称賛されるべきだと Salama 氏は述べました。また、人権理事会が4月4日、投票により、締約国に対しインターセックスパーソンに対する差別、暴力、有害な慣行と闘うよう求める決議を初めて採択したことを報告しました。
*一般勧告草案40に関する記事はこちら
*人権理事会に関する記事はこちら
*審査の予定は以下の通りです。なお、記載の時間はヨーロッパ時間であり、日本よりも7時間遅れているのでご注意ください。カッコ内より、審査国の政府定期報告書をご覧いただけます。
大韓民国(CEDAW/C/KOR/9):5月14日10時ー13時および15時ー17時
モンテネグロ(CEDAW/C/MNE/3):5月15日10時ー13時および15時ー17時
シンガポール(CEDAW/C/SGP/6):5月16日10時ー13時および15時ー17時
エストニア(CEDAW/C/EST/7):5月17日10時ー13時および15時ー17時
クウェート(CEDAW/C/KWT/6):5月21日10時ー13時および15時ー17時
マレーシア(CEDAW/C/MYS/6)):5月22日10時ー13時および15時ー17時
ブラジル(CEDAW/C/BRA/8-9):5月23日10時ー13時および15時ー17時
ルワンダ(CEDAW/C/RWA/10):5月24日10時ー13時および15時ー17時
*エストニアとブラジルの国別レポートは報告前の課題リストの形式で出されました。