■国連人権高等弁務官、大学における抗議行動に対する法執行機関の行動を懸念(4月30日)
ヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官は、4月30日、アメリカの大学キャンパスでの学生たちの抗議デモに対する一連の強硬な解散や解体の措置に対して、次のように懸念を述べました。
「表現の自由と平和的集会の権利は社会の基本である。特に、パレスチナ占領地とイスラエルの紛争にみられるように、一つの重要な問題に関してはっきりとした意見の対立がある場合はなおさらだ。」
ここ数週間、アメリカでは大学生が数千人規模でガザでの戦争に対して抗議行動を続けています。またこの数日間では、他の国のキャンパスにおいても大規模なデモが行われています。抗議デモの多くは事故もなく、平穏に今も続いています。しかしながら、抗議行動が治安部隊によって鎮圧されたり、解散させられたりしたケースも多くあります。そのなかで数百人の学生が逮捕されました。多くの学生はその後釈放されましたが、告発されたり、学内の制裁を受けた学生もいます。
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United States of America: UN Human Rights Chief troubled by law enforcement actions against protesters at universities
■女性は戦争の一番の被害者だ。でも、私たちが平和への鍵を握っている。(4月22日)
ジュリエンヌ・ルセンゲは、コンゴ民主共和国(DRC)で40年以上にわたり女性と女児の権利のために闘ってきたコミュニティ・リーダーであり人権活動家です。ルセンゲさんは、性暴力のサバイバー(被害者)に対して総合的な支援を提供する組織「統合平和と開発のための女性の連帯(SOFEPADI)」のリーダーであり、平和構築と政治参加における女性のリーダーシップ、性と生殖に関する健康、性暴力との闘い、気候正義、これらの課題に取り組む草の根組織への財政的・技術的支援をしている「コンゴ女性基金(FFC)」のリーダーです。彼女の勇気と活動は、性暴力を受けたコンゴ人女性の窮状に光を当て、サバイバーに生活再建への力を与えます。2023年国連人権賞の受賞者であり、国連拷問被害者自発的基金の理事でもあるルセンゲさんは、今週、TIME誌が選ぶ2024年の世界で最も影響力のある人びとの一人に選ばれました。
ルセンゲさんは、性暴力のサバイバーをエンパワメントし、生活再建の手助けをしようと思ったきっかけついて、次のように述べています。
「私は自己表現することを認めてくれる家庭で育ち、父とたくさんの議論をしました。ラジオジャーナリストとして仕事を始めたとき、村に行き、話す権利すら認められていない多くの女性に出会いました。彼女たちは自分を表現したかったし、活躍したかったのに、許されませんでした。2000年に私たちが SOFEPADI を設立したとき、イトゥリは民族間紛争の真っ最中でした。そのため、女性が平和構築に貢献し、またサバイバーとしてサービスを受けられることが重要でした。村から追い出されただけでなく、性暴力のサバイバーでもあるのです。私は自分に言い聞かせました。この女性たちのために何かしなければならない。彼女たちが正義にアクセスできるよう、声を上げなければならない。私たちのところに来る女性の多くは、完全に壊されてしまっています。笑顔もない。希望もない。しかし、私たちが支援することで、彼女たちは何とか生活を取り戻し、他の女性たちを動かして性暴力事件を告発するようにさえなるのです。レイプによって生まれた子どもたちが小学校や中学校を卒業し、母親たちが大学を卒業して活動家になる姿を見ると、私たちは前に進むしかないと励まされます。女性が性暴力の危険にさらされるような国で、孫が大きくなってほしくはありません。女性が安全で、男性と同じように権利を享有できる国にしたいのです。」
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Women are the first victims of war, but we hold the key to peace
■今年で13回目となる国連ビジネスと人権フォーラムが、11月25日から27日まで、ジュネーブとオンラインのハイブリッド方式で開催されます。今回のテーマは、「ビジネス活動の文脈で人権を保護するための ”スマートミックスの方策” の実現」(Realizing the “Smart mix of measures” to protect human rights in the context of business activities) です。
【翻訳・抄訳 反差別国際運動(IMADR)】