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差別を許さない! 衆議院選挙に向けた IMADR 声明
■未だ解決されていない杉田水脈元議員の差別扇動と人権侵犯事件
反差別国際運動は、杉田水脈元衆議院議員が第51回衆議院選挙(2026年2月8日投開票予定)に自民党から出馬予定であるというニュースに接し、驚きと深い懸念を抱きます。杉田元議員によるアイヌ女性と在日コリアン女性に対する揶揄と中傷(2016年2月)から始まった差別扇動は、これら女性たちの尊厳を深く傷つけるものであり、私たちの度重なる要請にもかかわらず、何ら修復もされないまま今に至っています。
杉田元議員のこの発言に対して、札幌法務局(2023年9月)と大阪法務局(同年10月)は「人権侵犯の事実があった」と認定しました。それにも関わらず、杉田元議員は審判の正当性に疑義を唱え、さらにアイヌ民族を侮蔑する発言を続けてきました。それに追い打ちをかけるように、2025年3月9日、集まる記者を前に、杉田元議員は、「人権侵犯の認定は受けていない」と答え、続く参議院議挙に自民党から出馬し、落選しました。
杉田元議員のこれら一連の言動から、私たちは、日本も加入している人種差別撤廃条約第4条(c)を想起します、『国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動することを認めないこと』。さらに、2014年の人種差別撤廃委員会による日本審査では、総括所見パラグラフ11 (d) で「ヘイトスピーチを広めたり、憎悪を扇動した公人や政治家に対して適切な制裁措置をとることを追求すること」、とする勧告が日本政府に対して出されたにもかかわらず、その後、政府によるこうした措置の検討が行われた形跡はなく、法務省による「人権侵犯があった」という決定を否定する杉田元議員の行為さえも見過ごされてきました。
こうした経緯のもと、今回の衆議院選挙に自民党候補として杉田水脈元議員が出馬することに、私たちは大きな懸念と疑念を抱かずにはいられません。
■求められるのは政治そして政府の毅然とした対応
加えて、近年、パブリックな空間における外国人への不信や嫌悪の言説はさらに拡大しています。公人によるこうした言動に政府が毅然と対応してこなかったことは、差別の標的にされてきたマイノリティ集団に関して何を言っても許されるという空気を醸しだす要因となってきました。さらには、政府や与党自民党が相次いで打ち出す「違法外国人ゼロ」や「不法滞在者ゼロ」を謳う政策は、根拠のない差別的言説へのお墨付になりかねないと危惧します。このことは、昨年の参議院選挙の時に飛び交った公党の党首による差別発言や、特定の人びとを排除するための選挙宣伝における根拠のない決めつけが、ネット空間などで瞬く間に広がったことにも関係しているのではないでしょうか。
2025年12月に国連人種差別撤廃委員会と移住労働者権利委員会が3年間に及ぶ協議を経て出した、「外国人排斥根絶のためのガイドライン」は、さまざまな分野における外国人排斥の流れに対して国がとるべき指針を示しています。そのなかで、選挙における外国人排斥の問題について、以下の措置をとるよう世界の国々に求めています。
1)選挙目的で、移住や庇護に関する問題を道具化しないことを候補者や政党が誓約すること、
2)移民を、問題の原因や危険なものとして(例えば、「違法」外国人という表現)、あるいは非人間
化した形で描写しないこと、
3)政治家による外国人排斥や人種差別的な表現は、徹底的に捜査され、適切に制裁されるようにす
ること。
間もなく始まる衆議院選挙に向け、私たちは、自民党をはじめ各政党に対して、以上について、最大の注意を向けるよう促します。
2026年1月23日
反差別国際運動(IMADR)
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