人種優生思想のもと、「劣等人種」の絶滅を目ざしたナチスは、ユダヤ人やその他の少数民族に加え、“ジプシー”(スィンティとロマ)も殺戮しました。1943年初めにアウシュヴィッツ・ビルケナウに建てた “ジプシー収容所”に、ナチスはヨーロッパ 11か国から集めた23000人の “ジプシー” を漸次移送しました。そして1944年8月2日から3日にかけての夜中、2897人のロマがガス室で殺され、まだ労働力として利用価値のあるロマ1408人がほかの強制収容所へ移転されました。ガス室で殺されたロマのほとんどは子どもと母親、そして高齢者でした。
2015年、ヨーロッパ議会は8月2日を「ロマ・ホロコースト・メモリアルデー」と決め、ヨーロッパ全域で犠牲になった50万人以上にのぼるロマの追悼を行っています。ドイツ・スィンティ・ロマ中央委員会は毎年、アウシュヴィッツ・ビルケナウのその場所で、ホロコーストのサバイバーを招き、追悼式を開いてきました。今年もバーチャルで追悼式(英・独)(現地時間午後2時開催)を視聴できます。https://www.roma-sinti-holocaust-memorial-day.eu/
スィンティとロマの虐殺の歴史を学ぶ
ナチスによるスィンティとロマの迫害とホロコーストの悲劇を伝えるため、2001年よりポーランドのアウシュヴィッツ国立博物館でスィンティとロマの大量殺戮の記録が常設展示されています。IMADRではこの人道に反する残忍な犯罪の記録を紹介するため、常設展図録の日本語版『ナチス体制下におけるスィンティとロマの大量虐殺』を作成し、割引価格で販売しています。詳細はこちら
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