2021.07.16

国連人権理事会47会期報告(2021年7月)

インドのダリット女性、ブラジルの警察による人種差別、国連人権条約機関のモニタリングついて働きかけました。

反差別国際運動(IMADR)は6月21日から7月14日にわたって開催された国連人権理事会47会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。

これらの活動は皆様からの寄付と会費によって支えられています。ぜひ寄付または会員としてのご支援をご検討ください。

口頭声明の発表

  • 「人権条約機関とたまり続ける締約国報告書」(6月22日)

要約:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにおいても人権条約機関が活動を継続するための国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)による一連のサポートと、オンラインでの締約国審査をすべての条約機関が始めたことを歓迎しました。一方で、各会期で実施できるオンライン審査の数が限られているために審査待ちの締約国報告書が増え続けている現状を懸念し、2021年秋から条約機関が対面での会期を再開するためにOHCHRが取り組むよう促しました。

声明はこちら(英文):https://imadr.org/tb-net-statement-hrc47-2021-joint-os/

*この声明は国連条約機関NGOネットワーク(TB-Net)による共同声明です。

  • 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックからの社会経済の回復とインドのダリット女性」(7月6日)

要約:インドのダリット女性が家庭内において経済的・社会的に弱い立場に置かれていることを示す全国家庭健康調査の調査結果を共有すると共に、特に衛生関連の仕事に従事する女性たちをはじめ、パンデミックによってダリット女性たちはさらに苦しい生活を強いられていることを指摘しました。その上で、フロントライン・ワーカーや衛生の仕事に従事しているダリット女性たちの社会保障を担保し、彼女たちが苦しい生活から抜け出すために必要な経済措置を取るよう勧告しました。

声明はこちら(英文):https://imadr.org/dalit-women-india-covid19-hrc47-2021-os/ 

*この声明は国際ダリット連帯ネットワーク(IDSN)と「国内女性リーダー議会」(インド)との共同声明です。

  • 「アフリカ系ブラジル人に対する警察の人種主義に基づく暴力に対するアカウンタビリティ」(7月12日)

要約:パンデミックにおけるリオデジャネイロのファヴェーラでの警察行為を制限する連邦最高裁判所の決定にもかかわらず、これらの地域でアフリカ系ブラジル人が警察によって殺害され続けており、真相究明や加害者の訴追がなされていないことを非難しました。独立した苦情申し立て機関を設置と共に、肥大化する警察予算を不平等や不正義と言った人種差別を正すための取り組みに再分配するようブラジル政府に求めました。米州人権委員会がアフリカ系ブラジル人に対する人種差別の状況を「国家の同意」に基づく「社会的浄化」のプロセスや「絶滅」であると表現したことを引用し、強く非難しました。また、国連人権理事会がOHCHRの勧告に従って真相の究明、正義の実現、補償と再発防止のためのメカニズムの設置及び強化を行うよう各国と協力するよう求めました。

声明はこちら(英文):https://imadr.org/police-racism-afro-brazilians-hrc47-2021-joint-os/

*この声明はマイノリティ・ライツ・グループ・インターナショナル、マリエル・フランコ・インスティテュート、人種と平等(Race and Equality)との共同声明です。

また、フランシスカンズ・インターナショナルおよび移住に関するフランシスカンズ・ネットワーク主催の「ラテンアメリカにおけるアフリカ系の人びとおよびアフリカ人の大陸間の移住」に関するサイドイベント(7月7日)を協賛しました。チラシ:https://imadr.org/hrc47-event-migration-7july2021/ 

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