3月23日の参議院特別委員会において、 国連女性差別撤廃委員会(以下、委員会)から日本政府に宛てたフォローアップ審査の見解文書(2018年12月17日付け)が、本年3月15日まで政府内において放置されていたことが明らかになりました。この事態を受けて、反差別国際運動(IMADR)は、3月31日、部落解放同盟中央女性運動部、アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク、一般社団法人メノコモㇱモㇱと共に、外務大臣及び男女共同参画担当大臣に書簡を送りました。
フォローアップ審査は、総括所見において委員会が緊急を要する、あるいは経過報告が必要であると指定した勧告に関して、次の審査までの中間に、政府にフォローアップ情報の提出を要請し、市民社会からえた情報も考慮したうえで行われる条約審査の正式な手続きの一つです。
政治的代表を確保されていないマイノリティ女性にとって、国連人権条約機関の審査は自らが直面している人権問題を明らかにする場であり、同時に国際人権基準が保障する権利の主体者であることを公に確認する場です。
政府がフォローアップ審査の見解文書を放置していたことは、委員会による審査プロセスへの軽視と捉えられても仕方のないことであり、政府への疑念を私たちに抱かせるものです。これらを踏まえたうえで、私たちは日本政府に対して以下のことを要請します。
1.なぜこのようなことが起きたのかを政府内で調査し、判明したことを明らかにしていただきたい。
2.今後このようなことが起きないために、国連人権機関による勧告およびフォローアップ勧告について市民社会団体と意見交換を定期的に開くようにしていただきたい。
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