国連人権理事会(2024年6月18日に開会)は、 22本の決議と 3本の決定を採択し、7月12日に閉会しました。IMADRの活動内容とかかわりのあるものを中心に、決議の一部を紹介します。
♦︎人権と国際連帯に関する決議では、各国、国際連合機関、その他の関連国際機関および非政府組織に対し、人民および個人の有する国際連帯の権利をその活動の主流に据え、独立専門家の職務権限に協力し、独立専門家が要求するすべての必要な情報を提供するよう求めた。
♦︎デジタル環境における子どもの安全に関する決議では各国に対し、民間セクターおよび市民社会を含む利害関係者と協力し、ジェンダー・デジタル・デバイドを含む国内および国家間のデジタル・デバイドを埋めるための措置や、デジタル環境がもたらす子どもへの潜在的なリスクを軽減するために、子どもに対するメディアリテラシー教育などの措置を求めた。
♦︎法執行における人種的正義と平等を推進するための国際独立専門家メカニズムの任務に関する決議では、アフリカ系の人びとやコミュニティが、制度的人種差別がもたらす結果や現在進行中の事態を食い止め、覆し、修復するためのプロセスの設計や実施に包括的な形で参加することの必要性を強調した。また特に、若者がこれらのプロセスで果たしてきた重要な役割を認め、今後も果たしていくべきことも強調した。
♦︎言論と表現の自由に関する決議では、デジタル化が進んでいることに伴い、 オフラインで人びとが持つ権利と同じ権利が、オンラインでも保護されなければならないことを強調し、技術仲介業者やソーシャルメディア・プラットフォームを含むすべての企業に対し、人権を守るための責任を果たすよう求めた。
♦︎人権と気候変動に関する決議では、すべての国に対し、気候変動への適応と緩和の政策に、国主導、人間中心、包括的、統合的、ジェンダー対応 (gender-responsive)、年齢包括的 (age-inclusive)、障がい者包括的(disability-inclusive) なアプローチを採用するよう求めた。
♦︎テクノロジーがもたらすジェンダーに基づく差別に関する決議では、テクノロジーがもたらすジェンダーに基づく差別の女性および女児への影響に関するさらなる調査を求めた。
♦︎女性と女児に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する決議では、各国に対し、女性と女児の貧困を根絶し、ジェンダーと社会経済的不平等に対処し、実質的平等を達成するために、ジェンダーに対応した措置をとるよう求めた。