2021.02.25

スリランカの人権 求められる国際社会の監視強化 

2021年2月22日開会の国連人権理事会46会期に、バチェレ国連人権高等弁務官は憂慮されるスリランカの人権状況に関するレポートを提出しました。24日にはそのレポートに基づいた高等弁務官による口頭での報告が行われ、スリランカ政府に対して、国際社会との約束を履行するよう人権理事会が毅然とした態度で臨むことを促しています。新政権1年目のスリランカでは、行政機能への軍の侵出、市民社会組織への脅迫、マイノリティのさらなる排除などが起こり、民主主義と人権が危機にさらされています。以下、人権高等弁務官のレポート提出に関するニュースリリースの日本語訳を一部紹介します。

    重大な人権侵害の再発への道を歩むスリランカ–国連報告書 

ジュネーブ(2021年1月27日)– 水曜日に新たに発表された国連報告書は、過去の人権侵害への対処を怠ったスリランカでは人権侵害が繰り返されるリスクが大幅に高まっていると警告している。報告書は、深刻化する免責問題、行政機能の軍事化の進行、民族主義的な言説、市民社会への脅迫など、過去1年間の懸念される傾向を明らかにしている。

スリランカの武力紛争の終焉から約12年、現在の政府は調査と裁判を積極的に妨害し、わずかとは言えこれまでの進展を逆行させ、すべての当事者による重大な人権侵害と虐待に対する免責がこれまで以上に蔓延していると、国連人権理事会決議40/1によって提出された本報告書は述べている。

報告書は、国際社会による監視と予防措置の強化を促し、「スリランカの現在の軌道は、重大な人権侵害を引き起こした政策と慣行の再来に向かっている」と、警告している。

報告書が指摘している早期警告のシグナルには、文民政府機能の軍事化の加速、重要な憲法上の保護規定の逆転、アカウンタビリティに対する政治的妨害、排他的な言説、市民社会への脅迫、および対テロ法の運用がある。<続き・全文は以下をクリック>

ニュースリリースの全文はこちらから  英語  日本語

国連人権高等弁務官によるレポート全文はこちらから  英語  日本語は後日

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