スリランカの移行期の正義、ダリットの人権、政治的空間における人種差別の問題について働きかけました
反差別国際運動(IMADR)は2月25日から3月22日にわたって開催された国連人権理事会40会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。これらの活動は皆様からの寄付と会費によって支えられています。ぜひ寄付または会員としてのご支援をご検討ください。
口頭声明の発表
・「ダリット女性の経済的、社会的、文化的権利」(3月8日)
要約:経済的・社会的・文化的権利と平等の原則についての国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報告書を歓迎した上で、ダリット女性は搾取的労働、現代的形態の奴隷制、児童婚、強制改宗、高い学校の中退率などの困難な状況にあり、それに対し闘っていることを強調しました。また、持続可能な開発目標(SDGs)達成のための取り組みにダリット女性の参加を保証するよう呼びかけました。この声明はライト・ライブリフッド賞基金との共同声明で、国際ダリット連帯ネットワークの賛同を受けています。声明はこちら(英文)
・「無国籍のマイノリティおよびダリット女性と少女に対する差別」(3月13日)
要約:マイノリティの無国籍問題の解決のためのガイドラインを特別報告者が作成する計画を発表したことを歓迎しつつ、その作成過程において関連分野で活動するすべてのステークホルダーの参加を保証することを求めました。さらに、安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクトで提示されている無国籍状態の解消と防止のための措置を参考にするよう促しました。また、ダリットやロマの女性を含むマイノリティ女性に対する複合および交差性差別に対する特別報告者の継続的な関心を歓迎すると共に、インドの司法システムにおいてカーストとジェンダーに基づく偏見が蔓延しているという最近のNGO報告に懸念を表明しました。これに関連して、ダリットを含むマイノリティの人権状況の向上のために、特別報告者による公式訪問リクエストをネパール政府が迅速に受け入れるよう求めました。声明はこちら(英文)
・「政治的空間における人種的・民族的憎悪との闘い」(3月15日)
要約:声明の冒頭で当日にニュージーランドのクライストチャーチで起きたモスク襲撃事件の被害者と関係者に追悼の意を表明しました。パネルディスカッションの開催を歓迎しつつ、政治家や政界入りを望む人物が言論の自由を悪用して人種的・民族的優越性の嘘や憎悪を広めることを非難し、このような発言は人種差別撤廃条約4条と一般的勧告35に従って処罰されるべきであることを指摘しました。また、人権理事会において国内人権NGOを攻撃すると共に移民の人権を否定する発言をハンガリーの外務大臣が繰り返し、それらの発言に対し人権理事会が十分な対応をとっていないことに警鐘を鳴らしました。声明はこちら(英文)
・「スリランカにおける和解、アカウンタビリティと人権」」(3月20日)
要約: 2名が死亡者と複数名の怪我人をだし、モスクを含む450棟の建物が燃やされた昨年3月のイスラム教徒コミュニティに対する暴動の加害者が一人も訴追されていないことを指摘し、制度的および政治的動機に基づいた暴力に対してスリランカ政府が対応を怠っていることを非難しました。内戦が終結してから10年が経過したにもかかわらず、戦争犯罪や人道に対する罪を含む重大な人権侵害の疑いに対する調査・訴追が行われず、和解と正義が実現していないことを指摘しました。その上で、OHCHRによるモニタリングの継続、スリランカ政府が国連勧告の実施計画の作成すること、OHCHRスリランカ事務所の設置、国際社会がスリランカ市民社会と協力すること、そして各国による加害者の調査・訴追を求めました。この声明はフランシスカンズ・インターナショナルとの共同声明です。声明はこちら(英文)
サイドイベントの開催
・2月28日に「スリランカにおける和解、アカウンタビリティおよび人権の促進」」と題したサイドイベントをフランシスカンズ・インターナショナル、ヒューマンライツ・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナルその他5団体と開催しました。詳細はこちら
・3月18日に「スリランカの移行期の正義における市民社会の役割」と題したサイドイベントをフランシスカンズ・インターナショナル、ヒューマンライツ・ウォッチその他3団体と開催しました。詳細はこちら