本日3月19日、UPR日本審査の報告書が国連人権理事会37会期において採択されました。217の勧告に対する日本政府の返答についてIMADRは下記の声明を人権理事会で読みました。PDF版をダウンロードいただけます。(日本語 / 英語 )
———
IMADR口頭声明:人権理事会37会期
議題6:UPR日本
2018年3月19日
議長、ありがとうございます。
IMADRは人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)との連帯を表明し、この声明を読み上げます。私たちは人種差別問題に関するUPR勧告の受け入れを求め、1月に河野太郎外務大臣に宛てた要請文を提出しました。[1]
市民社会や多数の国からの要望にもかかわらず、日本政府が包括的差別禁止法の採択に関する勧告を支持しなかったことを憂慮します。人種差別からの効果的保護において現行の日本の法律は不十分であるため、マイノリティや先住民族の団体を含む市民社会は人種差別撤廃条約(ICERD)と国連人種差別撤廃委員会(CERD)からの勧告に従って法整備を行うことを求めてきました。[2]
独立した国内人権機関の設置、ほとんどの国連条約機関の個人通報制度の受け入れ、「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」の批准といった勧告を日本政府が受け入れたことを歓迎します。しかし、過去二回の審査でも政府は同様の勧告を受けいれていますが、10年間それらが実施されていないことを指摘します。
マイノリティ、先住民族および外国籍の人びとに対する暴力や技能実習制度といった人種差別に関する勧告の多くを政府が受け入れたことを歓迎する一方、在日コリアンや琉球・沖縄の人びとに特化した勧告を政府が受け入れなかったことを懸念します。朝鮮学校についての政府回答[3]は結果としての差別を考慮していません。同様に、琉球・沖縄の人びとについての勧告に対する政府回答は、今も琉球・沖縄の人びとが直面している構造的差別と人権侵害に対する視点が抜け落ちています。
こうしたことから、私たちは留意した勧告を日本政府が十分に受け入れるよう要請します。さらに、日本政府がUPR勧告実施のための具体的な国内行動計画を作成することを求めます。また、行動計画の作成とUPR勧告の実施において、市民社会と有意義に協力することを要求します。
議長、ありがとうございます。
———
[1]人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)(2018年11月24日)、「UPR日本審査の勧告受け入れを河野外務大臣に要請」、https://imadr.net/upracceptanceappeal/
[2] 国連人種差別撤廃委員会総括所見(CERD/C/JPN/CO/7-9)、https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000060749.pdf
[3] UPR日本政府回答(A/HRC/37/15/Add.1)、パラグラフ161.151、https://www.ohchr.org/EN/HRBodies/HRC/RegularSessions/Session37/Documents/A_HRC_37_15_Add%201_EN.docx