国連

国連人権アップデート No. 38 ミャンマー正当性なき選挙/ 戦時の性暴力に関する報告書-スリランカ

2026.01.15

 ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者トム・アンドリュースは、本日、同国総選挙の第1ラウンドの投票によって、その根底にある強制、暴力、排除が露呈したとして、国際社会に対して、同国の見せかけの選挙を非難するとともに、軍事政権を孤立させる取り組みを強化し、軍政指導者に圧力をかけ、選挙中止に追い込むよう求めました。
 2025年12月28日、3回に分けて実施される総選挙の第1ラウンドの投票が行われました。公式発表によると、親軍政党「連邦団結発展党(USDP)」が下院議席の約90%を獲得しました。投票に際し、軍政当局者は、国内避難民、学生、公務員、受刑者、一般市民に、投票しなければ人道支援や教育、渡航書類などが利用できなくなると脅したと報じられています。「数千もの政治囚が投獄され、頼りとなる野党は解散させられ、ジャーナリストは言論を封じられ、基本的自由がうち砕かれている中で、自由で公正な選挙ができるはずがない」と特別報告者は述べました。
 国営メディアによると、選挙に対する批判や抗議を犯罪とみなす極めて厳しい法律のもと、200人以上が起訴されました。有罪判決を受けた人のなかには、最長49年の刑が言い渡された人もいるそうです。「軍事政権は、親軍政党の勝利を確実にし、軍事支配を確立し、暴力と抑圧が続く中で正当性を捏造するために、選挙を操作しました」。
 特別報告者は、選挙を認めないと表明している国々を称賛しました。その一方で、一部の少数の国を選挙監視団として招き、選挙を正当化しようとしていることに懸念を示し、「ミャンマーの将来がゆだねられているのは国民であり、人びとを投獄し、黙らせ、恐怖に陥れる一部の者ではありません。国際社会はそれを明確にするべきです」と述べました。

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UN expert: First round of voting in Myanmar exposes junta-orchestrated election as illegitimate

 国連人権事務所は本日、スリランカの内戦に関連した性暴力は依然として対処されておらず、男性・女性を問わず、被害者に正義がもたらされていないことを指摘する報告書を発表しました。これに際し、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のジェレミー・ローレンス報道官は次のように述べました。
 『私たちはすべて失った ―正義への希望さえも』というタイトルのこの報告書は、重大な人権侵害と戦時の犯罪に対する説明責任、承認、賠償の欠如が、不処罰のレガシーを生み出し、今日においてもサバイバーの生活に影響を及ぼしていると指摘しています。2009年に終結した内戦の被害者の多くは慢性的な身体的損傷、不妊症、精神的崩壊、自殺願望に苦しんでいます。戦時の性暴力は、国際法の深刻な違反行為であり、戦争犯罪または人道に対する罪に相当します。スリランカは多数の国際条約や国際的な約束のもと、そうした人権侵害を防止、調査、訴追し、サバイバーへの賠償を確保する法的義務があります。
 報告書はまた、戦後も軍事化と非常事態法制によって性暴力を含むジェンダーに基づく暴力が報告され続けていることを強調しています。サバイバーによれば、強姦、性器切除、強制的に裸にすること、公衆での侮辱を含む衝撃的な残虐行為が行われており、こうした攻撃はトラウマを永続化させ、コミュニティ破壊の意図が背後にあると多くの人が感じています。あるサバイバーは「性暴力は決して終わることのない拷問である」と証言しています。
 報告書は、スリランカ政府に対し、政府軍による過去の性暴力を公に認め、正式な謝罪をすることを求めています。さらに、治安部門、司法、法的枠組みにおいてサバイバー中心の改革を実施し、独立した検察庁を設置し、心理的および社会的支援へのアクセスを確保するように求めています。

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Sri Lanka: Report on conflict-related sexual violence

翻訳・抄訳  反差別国際運動(IMADR)