国連
国連人権アップデート 03/31/2025 No. 27
■変化への闘い レイシズムのない世界を目指して (3月21日)
毎年3月21日の「国際人種差別撤廃デー」は、制度的なレイシズム、人種差別、排除に対する闘いを振り返る日です。今年は、世界中で人種差別と闘うための法律や政策、その他の行動を形作る上で重要な条約である「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)」が採択から60年を迎えます。
「レイシズムとの闘いは、国連人権の活動の中心です。私たちは各国政府、市民社会、その他の関係者と協力し、変革をもたらすより強力な反人種差別の取り組みを推進しています。」と、国連人権の反人種差別セクションのチーフであるサラ・ハムードは言います。
「過去60年間に大きな進展があった一方で、人種的不平等は依然として根強く、世界の多くの人々の生活に影響を与えています。」
人種差別の影響
サネラ・ベシッチとイルマ・ベラスケス・ニマトゥイは、構造的・制度的人種差別に長年曝されてきたコミュニティに生まれました。ベシッチはボスニア・ヘルツェゴビナのロマ民族の女性、ベラスケス・ニマトゥイはグアテマラのキチェ・マヤ先住民族の女性です。
ベシッチとベラスケス・ニマトゥイが置かれてきた状況はまったく異なりますが、人種差別に関する彼女たちの経験には似通ったパターンがありました。幼少期から、彼女たちは社会のなかで疎外された存在として扱われてきたこと、そして成長するにつれ、自分自身の苦悩が、より大きな人種排除の構造を反映していることに気づいたことです。
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Fighting for change: A world without racism
■拷問の禁止:監獄の中での尊厳を守る勝訴 (3月26日)
南アフリカの5人の受刑者が、リーウコップ最大矯正センター(Leeukop Maximum Correction Centre)での受刑者への拷問をめぐる訴訟により、画期的な法的先例を打ち立てました。1年前に出された高等裁判所の評決は、10年がかりで実現したもので、アパルトヘイト後の南アフリカにおいて、同国の「拷問防止および撲滅法」が初めて適用されました。
2014年8月10日、アベル・ファシャ、ベンソン・キビ、ムトコジシ・シソレ、ルウェリン・スミス、ソラニ・ズールーの5人の受刑者が刑務所当局の命令を拒否し、独房のドアに鍵をかけました。看守たちは電気ショック、長時間の拘束、暴行などの残虐な暴力で応酬しました。
「彼らはひどく殴られ、また独房監禁によって精神的に追い詰められました」と、地元の非政府組織であり公益訴訟弁護士でもあるナベーラ・ミアは語ります。ミアさんは国連の「拷問被害者救済基金」を受託している「Lawyers for Human Rights(LHR)(人権のための弁護士)」の刑事改革プログラム責任者です。彼女は原告の法的弁護に資金援助を行いました。
「これは大きな勝利ですが、被害者の方々が受けた、そして今も受け続けている被害や痛み、苦しみは決して取り除かれることはありません」とミアは言います。
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Ending Torture: Legal Victory Upholds Dignity Behind Bars (26 March 2025)
翻訳・抄訳 反差別国際運動(IMADR)