■ガザ:パレスチナの障害者は極度の不安と緊張におかれている (5月27日)
5月27日、国連障害者権利委員会(CRPD)はその声明で、障害のあるパレスチナ人にとって事前に緊急情報や警告を得ることは困難であり、通信網の破壊とあいまって、彼・彼女たちの避難を不可能にしていると強調しました。さらに、「そのような状況のなか、ガザの障害者たちは、最初に犠牲になるのは自分たちであると恐れ、極度の苦痛におかれています。住宅や市民インフラの大規模な破壊とそれによる瓦礫の山で、移動は著しく困難となり、脱出や避難あるいは保護の可能性を狭めている」と述べました。
委員会は、NGOの活動家であり、視覚障害のあったY.M.さんのケースを挙げました。攻撃された地域に住んでいた彼は、事前の情報をえて家から逃げ出すことができず、2023年12月7日に殺害され、2歳、3歳、8歳、10歳の4人の子どもが残されました。
さらに委員会は、障害のある子どもたちは、家族離散の危険にさらされており、その苦しみは耐え難いものであると警告しました。
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Gaza: Palestinians with disabilities fear being killed first, says UN committee
◆2024年6月11日に行われた障害者権利委員会の委員選挙で、日本の田門浩弁護士が新しく委員として選出されました。
■人工知能 持続可能な成長にとってのゲームチェンジャー (6月14日)
「生成 AI などのデジタル技術のかつてない進歩は、人権の享有を前進させ、2030 アジェンダを救うことに貢献する。これまで想像したことのない機会を私たちに与えてくれます、」フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は、「人権:解決への道」と題した声明の中で述べました。
AIの問題をメインに取り上げる第5回「AI for Good(善のための AI )」グローバル・サミットが 2024 年5月31日、スイス・ジュネーブで開催されました。このサミットは、健康、気候、ジェンダー、包括的な繁栄、持続可能なインフラ、その他の世界的な開発の優先事項を促進するためにAIを推進する、行動指向の主要な国連プラットフォームです。
「AI の利用が進化を続け、私たちの日常生活に影響を与える中、その発展がすべての人に利益をもたらすよう保障することが極めて重要です、」と高等弁務官はサミットについて述べ、AI による権利侵害を防止するための政策やガバナンスに取り組む絶好の機会であると言いました。
『 数十年かけて開発され、適用されてきた人権の枠組みが、プライバシー、尊厳、発言など、デジタル領域において出てくる多くの問題に対処するための不可欠な基盤となる。』
このサミットは、国連の情報通信技術専門機関である国際電気通信連合 (ITU) が、国連人権理事会を含む40 の国連機関およびスイス政府と協力して開催しました。このサミットは、AI の実用的なアプリケーションを特定し、世界的に及ぼすインパクトに対する解決を拡大し、国連持続可能な開発目標に向けた進展を加速させることを目的としています。
「私たちが AI for Goodサミットに参加したことは、技術革新に人権への配慮を組み込むことの重要性を証明するものです。私たちは、マルチステークホルダーによる取り組みを通じて、AI の変革の可能性が人権を損なうのではなく、むしろ高める形で実現されるようなバランスを達成できると信じています」。
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Artificial Intelligence: A game-changer for sustainable development
翻訳・抄訳:反差別国際運動(IMADR)