IMADR名誉理事長の武者小路公秀さんが2022年5月23日に亡くなりました。92歳でした。1990年から2002年までIMADR事務局長として、そして2002 年から2019年までIMADR理事長として、反差別国際運動が歩むべき道を照らし続けてくださいました。
「欧米のNGOが中心を占める国連の人権活動において、アジアの草の根の運動から生まれたIMADRの働きは非常に重要です」と、武者小路さんは常日頃強調していました。マイノリティや先住民族が現場から声をあげ、国連を巻き込みながら”世直し”をすることで世界の不平等、不公平をなくしていくべきだと唱えました。
平和、民主主義、人権、社会正義をかかげる世界・日本の活動家そして研究者に「武者さん」と敬愛された武者小路公秀さんの逝去を心から悼みます。
<武者小路公秀さん略歴> 1929年ベルギーで生まれる。学習院大学、パリ大学で学ぶ。国連大学副学長、大阪経済法科大アジア太平洋研究センター所長、大阪国際平和センター(ピースおおさか)会長、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)会長、ACFOD(アジア開発文化フォーラム)理事、国連「人権技術協力」任意拠出基金理事なども歴任。著書に『国連の再生と地球民主主義』(柏書房、1995年)、『転換期の国際政治』(岩波書店、1996年)他多数。