2023年9月25日、東京都中央区の銀座ブロッサムにて第32回ヒューマンライツセミナー「戸籍・国籍・無戸籍〜現代世界から考える」を開催し、445名の方々にご参加いただきました。
講師として、井戸まさえさん(NPO法人「親子法改正研究会」代表理事、元衆議院議員)と、遠藤正敬さん(歴史研究家、早稲田大学台湾研究所非常勤次席研究員)をお迎えし、井戸さんからはご自身の経験や活動について、遠藤さんからは戸籍そのものの歴史やその機能・意味について、ぞれぞれご報告いただきました。
その後の質疑応答では、「戸籍制度によって温存されている家父長制からどのように脱却できるか?」といった質問や、住民票や戸籍とならんでマイナンバー制度が動き出している中で、今後どのような登録制度が適切だろうかという点について、今後につながる議論が交わされました。
また、参加者への資料の一つとして、昨年IMADRが行った連続学習会『戸籍』—人権の視点から考えるの講演録である、現代世界と人権27『「戸籍」人権の視点から考える』を配布いたしました。
こちらは近日発売予定となっております。
戸籍は古くから現在に至るまで、部落差別につながる身元調査に使われてきました。さらには、家父長制の温存を制度として支えてきました。そして日本という国が、すでにさまざまなルーツを持つ人々がともに暮らす社会であるにも関わらず、非常に内向きな国民国家であり続けている一因でもあります。
あらゆる人の権利が尊重され、差別のない社会をつくるために求められる登録制度とはどのようなものかを考えるにあたって、今回は非常に貴重なお話しを伺うことができました。
IMADRは今後もこうした機会を活かし、活動を進めてまいります。