2023.09.28

【報告】第32回ヒューマンライツセミナー「戸籍・国籍・無戸籍〜現代世界から考える」

第32回ヒューマンライツセミナーのサムネイル

2023年9月25日、東京都中央区の銀座ブロッサムにて第32回ヒューマンライツセミナー「戸籍・国籍・無戸籍〜現代世界から考える」を開催し、445名の方々にご参加いただきました。

講師として、井戸まさえさん(NPO法人「親子法改正研究会」代表理事、元衆議院議員)と、遠藤正敬さん(歴史研究家、早稲田大学台湾研究所非常勤次席研究員)をお迎えし、井戸さんからはご自身の経験や活動について、遠藤さんからは戸籍そのものの歴史やその機能・意味について、ぞれぞれご報告いただきました。

第32回ヒューマンライツセミナー「戸籍・国籍・無戸籍〜現代世界から考える」の様子。
写真右側にある演台から井戸まさえさんが報告している。
パワーポイントには、以下のテキストが記載されている。

裁判所での衝撃体験
「父」は国が決める
→無戸籍支援活動へ
井戸まさえさんの講演
第32回ヒューマンライツセミナー「戸籍・国籍・無戸籍〜現代世界から考える」の様子。
舞台中央の演台で遠藤政敬さんが報告している。
手前には、参加者の姿。
遠藤正敬さんの講演

その後の質疑応答では、「戸籍制度によって温存されている家父長制からどのように脱却できるか?」といった質問や、住民票や戸籍とならんでマイナンバー制度が動き出している中で、今後どのような登録制度が適切だろうかという点について、今後につながる議論が交わされました。

第32回ヒューマンライツセミナー「戸籍・国籍・無戸籍〜現代世界から考える」の様子。
舞台上で、反差別国際運動の小森が司会を務め、井戸まさえさん、遠藤政敬さんとの質疑応答を行なっている。
質疑応答の様子

また、参加者への資料の一つとして、昨年IMADRが行った連続学習会『戸籍』—人権の視点から考えるの講演録である、現代世界と人権27『「戸籍」人権の視点から考える』を配布いたしました。
こちらは近日発売予定となっております。

近日発売予定の書籍『「戸籍」人権の視点から考える」の書影。
瓦屋根の街並みの画像がセピア色で背景に入っている。
ペールオレンジの四角い枠の中にタイトル『「戸籍」人権の視点から考える』が記載されている。
現代世界と人権27『「戸籍」人権の視点から考える』

戸籍は古くから現在に至るまで、部落差別につながる身元調査に使われてきました。さらには、家父長制の温存を制度として支えてきました。そして日本という国が、すでにさまざまなルーツを持つ人々がともに暮らす社会であるにも関わらず、非常に内向きな国民国家であり続けている一因でもあります。

あらゆる人の権利が尊重され、差別のない社会をつくるために求められる登録制度とはどのようなものかを考えるにあたって、今回は非常に貴重なお話しを伺うことができました。

IMADRは今後もこうした機会を活かし、活動を進めてまいります。

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