ヘイトスピーチとヘイトクライムに断固対抗するよう政府と国際社会に訴えました
反差別国際運動(IMADR)は9月11日から29日にわたって開催された国連人権理事会36会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。これらの活動は皆様からの寄付と会費によって支えられています。ぜひ寄付または会員としてのご支援をご検討ください。
口頭声明の発表
要約: アメリカ合衆国大統領がシャーロットビルでのヘイトクライムを非難しなかったことが差別主義
者をより駆り立てたことを非難し、ヘイトクライムやヘイトスピーチの放置が世界中で大規模な人権侵害に繋がったことを指摘しました。これに関連して、ミャンマーのロヒンギャの置かれた状況に対し人権理事会が有意義な措置をとることを求めました。さらに、移行期の正義の取り組みを実施する政治的意思が欠けているスリランカに対し、人権理事会が手綱をしっかり握るよう求めました。
声明(英文)はこちら:https://imadr.org/hatecrimes-usa-rohingyas-myanmar-srilanka-transitionaljustice-hrc36-2017-os/
要約:バングラデシュの人権NGOや人権擁護者が政府による嫌がらせや脅迫に晒されていることに懸念を示しました。また、バングラデシュの国境警備隊がロヒンギャ難民の入国を妨げていることを非難すると共に、国際社会がロヒンギャ難民を支援するよう呼びかけました。最後に、6月に提出された表現の自由に関する特別報告者からの勧告を日本政府が未だ実施していないだけでなく、沖縄の状況が悪化していることを指摘し 市民社会と対話をして勧告を実施するよう日本政府に繰り返し求めました。
声明(英文)はこちら:https://imadr.org/human-rights-defenders-bangladesh-okinawa-japan-hrc36-2017-os/
要約:部落女性やダリット女性はジェンダーに基づく差別と人種差別の複合差別によって教育、雇用や健康サービスにおいてより不利益を被っている上に、性暴力によりさらされていることについて発言しました。また、各国においてマイノリティや先住民族の女性の実態に関するデータが不足していることを指摘し、政府がこれらのデータを集めるよう求めました。
声明(英文)はこちら:https://imadr.org/intersecting-discrimination-hrc36-2017-os/
要約:世界において人種主義に基づく差別行為が増加していることを懸念し アメリカ合衆国のシャーロットビル、イギリスの国民投票、日本の朝鮮学校を例に政治におけるヘイトスピーチが十分に非難されないことがヘイトスピーチやヘイトクライムの増加に繋がることを指摘しました。また、これらの国が人種差別撤廃条約の4条を留保し続けていることを懸念しまた。さらに、80ヵ国以上が人種差別撤廃委員会への報告書提出の締め切りを守っていないことを指摘し、各国がダーバン宣言を有言実行するために市民社会と協力することを求めました。
声明(英文)はこちら:https://imadr.org/racial-discrimination-civil-society-participation-hrc36-2017-os/
「スリランカにおける強制失踪」について書面声明を提出しました。声明(英文)はこちら
:https://imadr.org/enforced-disappearances-srilanka-hrc36-2017-ws/
サイドイベントの開催
共催団体:フランシスカンズ・インターナショナル、ヒューマンライツ・ウォッチ、マイノリティ・ライツ
・グループ・インターナショナル
司会:デイビット・ウェイリー(元国連常駐調整官)
スピーカー
– 二マルカ・フェルナンド共同代表理事
– プラサナ・クルップ(障害共同前線)
– フレッディ・ガマゲ ジャーナリスト
概要:2017年11月に行われるUPRスリランカ審査が勧告の実施という点に重点を置くと共に、国連人権理事会決議30/1に基づいて進行中の移行期の正義プロセスと関連付けることの重要性を強調しました。これには7月に発令された失踪者委員会の構成委員の選別や憲法改正が適切な経緯と結果になることなどが含まれることが強調されました。また、11月のUPRでは今まで見過ごされてきた障害者の権利の問題も議論に含まれるよう障害共同前線のクルップ代表は求めました。さらに、ジャーナリストのガマゲさんは、依然としてジャーナリストに対する攻撃は不処罰のままであることを指摘し、この問題が政府の人権姿勢のリトマス試験紙になると指摘しました。