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人種差別撤廃委員会・移住労働者権利委員会 高まる外国人排斥を根絶するための措置を世界に促す

2026.01.15

 「国連人種差別撤廃委員会(CERD)と移住労働者とその家族の権利保護委員会(CMW)は、近年、外国人嫌悪*が移住労働者とその家族の権利、ひいては社会全体に及ぼす否定的な影響をより強く認識している。両条約機関は条約締約国の定期報告書の審査を通じて、この重大な世界的課題、すなわち外国人嫌悪の考え方が、それぞれの国の政策や慣行にさまざまな影響を及ぼしていることに、極めて強い懸念を抱いている。これら影響は、世界人権宣言および国際人権法の中核をなすすべての条約の採択によって、国際社会が目指してきた方向とは正反対の方に向かっている。
 したがって、両委員会は、外国人嫌悪に対処して根絶するための公共政策に関する締約国の義務と、外国人嫌悪が移民、その家族、およびその他の市民でない者の権利に及ぼす影響について、合同の一般意見/一般的勧告を策定することに合意した。」

 この決定に基づき、CERDとCMWは、政府、国際機関、NGOを含むすべてのステークホルダーに向けて、情報や意見の提供を呼びかけました。世界の政府、機関、そしてNGO**から提出された約60本の意見を参考にしながら、両委員会が協議を重ねた結果、2025年12月1日、合同のCERD一般的勧告38・39/CMW一般意見7・8が採択されました。 

注  *ガイドラインの日本語訳では、外国人嫌悪を外国人排斥としています。
**IMADRも情報提供をしました。こちらからご覧いただけます。 

 採択において、移住労働者権利委員会のファティマ・ディアロ委員長は次のように述べました。
 「世界中で、移民は、さらに一層、脅威、犯罪者、あるいは安全保障上の懸念として描かれるようになりました。こうした言説は現実を歪め、偏見を助長し、移民の人間性、経済への貢献などを覆い隠しています。この状況の是正は急務です。こうした言説は公人によって繰り返され、メディアやデジタルプラットフォームによって増幅され、移民を社会の一員ではなく危険な存在として示す結果を招いています。
 外国人排斥や人種差別は、強制的な追放、恣意的拘禁、拷問、虐待、人種的プロファイリング、経済、社会、文化的権利の行使の否定など、しばしば深刻で具体的な人権侵害をもたらしています。合同一般的勧告/意見は、こうした被害が孤立した事例ではなく、移民の地位、国籍、人種、民族、性別その他の理由を基に権利を制限している差別的な法律、政策、慣行によって形作られた広範な構造の一部であると強調しています。
 合同勧告は、外国人排斥は不可避なものではない、根拠に基づいた公共政策、包括的な議論、移民などのコミュニティの有意義な参加、そしてすべての人々の平等、無差別、尊厳の原則への強いコミットメントを通じて、予防、対策、根絶が可能であると明言しています。
 合同勧告はまた、国境管理の外部化(国が移民・難民の流入を防ぐため、移民管理を他地域に移転する行為)が移動中の人々の人権に与える影響にも言及しています。国境の外部化は、アフリカ、中南米、南アジアの出身者を不均衡に標的にしており、庇護を求める権利や適正手続きの保障を含む基本的人権を移民が享有する力を損なっています。
 ここ数十年、安全かつ正規の移住経路が狭められる中、非正規移住は人間の移動における構造的な現実となりました。多くの人々にとって、非正規入国は選択ではなく、自国を離れて庇護を求める権利、家族と再会する権利、あるいは取り返しのつかない危害から保護を得る権利を行使するための、数少ない手段の一つです。非正規の地位は犯罪ではありません。それは脆弱性の指標であり、しばしば権利の剥奪につながってきました。
 外国人を排斥するような言説と懲罰的な移民政策は相互に強化し合い、しばしば適正手続きの保障がないまま、非正規滞在という理由だけで強制送還が行われています。こうした措置は、親や養育者から引き離されないという子どもの権利を含む、複数の権利に壊滅的な影響を及ぼしています。非正規入国や非正規滞在の場合、各国は、家族や地域社会との結びつきなど、人権上の義務に基づく正規化の道筋を含む、強制送還に代わる手段を優先的に検討する必要があります。」
 ディアロは、移住労働者の権利条約を批准していない国を含むすべての国連加盟国に対し、委員会及び高等弁務官事務所との対話を通じて、この重要な条約を批准する機会を模索し、すべての移民労働者とその家族の権利保護へのコミットメントを再確認するよう呼びかけました。

ディアロ委員長声明の原文はこちらから