IMADR通信205号

特集:東アジアにおける人種差別とNGO

「私たちのところには人種差別はない。」そうした言説が十数年前までは支配的であった東アジア地域において、実際には存在する人種差別を可視化させ、撤廃に向けた動きを作ってきたのが市民社会運動である。韓国、香港、日本のNGOは、直面する人種差別の問題に、人種差別撤廃委員会など国連人権制度が提供するメカニズムを使って取り組んできた。
2018年にそれぞれの国が受けた人種差別撤廃委員会の審査を機に、三者は知り合い、お互いの取り組みについて語りあおうという気運が生まれた。2019年から地域会議の開催について協議し、具体的な準備が始まった矢先に新型コロナウイルス感染爆発が起きた。コロナパンデミックは人種差別により社会の周縁に追いやられているコミュニティを直撃した。なかでも、移住者コミュニティは3カ国においてもっとも深刻な影響を受けた。
当初予定の対面の会議を止めて、コロナ禍で普及したオンラインの会議(ウェビナー)に変えた。そのおかげで、3カ国だけではなく、ヨーロッパや他のアジアの都市からも関心ある人たちの参加をえた。3回シリーズのウェビナーでは、各回テーマを設定し、韓国、香港そして日本からそれぞれ問題提起を行った。本特集では、3回のウェビナーから見えてきた諸課題の総論と3カ国における人権インフラの概要、そして各回に行われたプレゼンを国別にまとめた報告を紹介する。


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特集:東アジアにおける人種差別とNGO 総論

発行:2021年2月16日