【ジュネーブ事務所発】国連人権理事会26会期での取り組み:ナイジェリア、スリランカ、日本の人権問題について口頭声明を発表しました。
6月10日から27日にわたって開催された国連人権理事会26会期における取り組みのうち、反差別国際運動(IMADR)ジュネーブ事務所が行なった口頭声明とサイド・イベントについてご報告します。
IMADRがおこなった口頭声明
「ナイジェリアと日本における人身売買」(6月13日)
ナイジェリア政府による人身売買対策の強化、特に被害者の人権保護と加害者の訴追を行うことを求めると共に、2020年の東京オリンピックに向けて技能実習制度を拡大して労働力を提供する日本政府の決定を非難し、人身売買(特に女性と子ども)に関する国連特別報告者による2009年の勧告を日本政府が実施するよう求めました。声明はこちら(英文)
「スリランカにおける宗教的過激主義と不寛容」(6月23日)
今年6月にスリランカ南西部において過激派仏教徒がイスラム系コミュニティを襲撃し、少なくとも4人が死亡し80人が重傷を負った事件に対し、スリランカ政府が事件を速やかに調査すると共にこのような宗教的嫌悪に基づく暴力が再び起きないように防止措置を取ることを求めました。また、国際社会に対しては宗教的過激主義に反対する人権活動家を支援し、今年3月の人権理事会で採択されたスリランカ内戦時の人権侵害および戦争犯罪を国連によって調査する決議を支持するよう再び呼びかけました。声明はこちら(英文)
「日本におけるヘイトスピーチ」(6月24日)
近年日本で増大するインターネットおよび街頭でのヘイトスピーチの状況の深刻さを伝え、日本政府がヘイトスピーチの実態調査を実施し、法的および行政措置を取るよう求めました。また、現代的形態の人種主義に関する国連特別報告者によるフォローアップ公式訪問の要請を歓迎しました。声明はこちら(英文)
*声明の日付と実際に発言した日付は進行の都合により異なる場合があります。
IMADRが共催したサイド・イベント
「女性に対するカーストに基づく暴力:カーストに基づく暴力と差別に対する闘いにおける国連の役割」をテーマにしたサイド・イベントを6月17日に国連欧州本部であるパレ・デ・ナシオンで国際ダリット連帯ネットワークおよび他4団体と共催しました。ナビ・ピライ人権高等弁務官による挨拶によって開会され、ピレイ人権高等弁務官は特に女性と少女に対するカーストに基づく暴力と差別の深刻さを懸念し、すべての関係国および機関が具体的な措置をとる必要性を強調しました。また、インドとネパールのダリット女性人権活動家らは各政府がカーストに基づく人権侵害に対応する法律を効果的に実施することを求めました。さらに、マイノリティ問題に関する国連特別報告者など専門家らは、カーストに基づく暴力と差別を国際人権基準に沿って根絶するためには国際社会および国連が強い関心を持って協力した行動が必要なことを繰り返しました。報告全文はこちら(英文・外部リンク)