国連
国連人権アップデート No. 46 人権理事会63会期:パレスチナ/34本の決議を採択し閉幕/ 子どもの保護
◼︎ 人権理事会63会期:イスラエルによる移動制限はパレスチナ人から生きる手段をもぎとっている
(10月2日)
イスラエルがヨルダン川西岸地区で拡大させている検問所、通行止めなどの移動制限は、パレスチナの領土の分断と恣意的な統制を深刻化させ、人々から時間、暮らし、教育を奪い、命をも危険にさらしている、とパレスチナの人権状況に関する特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼは述べました。2026年7月には、イスラエル兵が生後4ヶ月のアハメド・ザイドを軍の検問所付近で待機していた救急車に運びこむのを妨害し、1時間以上搬送が遅れ、最終的に亡くなりました。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、2025年12月時点で、東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区には、パレスチナ人の移動を制限する障害物が925ヶ所にあり、過去20年間の平均を43%上回りました。
「検問システムそのものが不法であり、その根底にある占領自体も不法です。イスラエルによる不法な占拠を『可能な限り速やかに』終わらせるよう求めた国際司法裁判所の要求に対し、国際社会の対応が許し難いほど遅れています。このこと自体が占領への加担です」。
【全文】Checkpoints in the occupied West Bank choking Palestinian life, warns UN expert
◼︎ 人権理事会63会期 - 34本の決議を採択し閉幕(10月7日)
国連人権理事会63会期(9月7日開幕)は、10月7日に34本の決議を採択し、閉会しました。これらには、人工知能(AI)が人権の促進と保護に与える影響に関する決議案、十分栄養のある食物への子どもの平等なアクセスに関する決議案、強制失踪に関する決議案が含まれます。この他、真実・正義・賠償・再発防止の保障の促進に関する特別報告者やアフリカ系の人びとに関する作業部会を含む、8つの異なる課題に関するテーマ別任務の任期を3年間延長することや、人権理事会66会期(2027年9月)に先住民族の権利に関する年次ディスカッション「先住民族の権利に関する国連宣言20周年:成果と課題」の開催を決定する決議案も含まれています。その他、今会期中には、国際人権規約60周年や人権教育及び研修に関する国連宣言15周年に関するハイレベルパネルディスカッションが開催されました。64会期は、2027年2月22日から4月2日に開催される予定です。
◼︎ 真の子どもの保護にむけ国際基準の実施を - 国連特別報告者(10月12日)
「私たちの課題は何にも増して国際基準の実施です。保護システムは、子どもを中心に据え、子どもの経験や実態を反映したものでなくてはなりません」と子どもの売買、性的搾取、性的虐待に関する特別報告者のキハラハント愛は述べました。
特別報告者は、国連総会に提出したビジョンレポートで、予防、保護、対応、リハビリテーション、司法、社会復帰という一連の取り組みの強化を重点課題として挙げました。「貧困、強制移動、差別、社会的排除、教育やサービスの欠如、不平等な力関係、脆弱な保護システム、安全な代替案の欠如を含む搾取を可能にする要因に対処し、予防策への投資を増やす必要があります。テクノロジーの進歩により、加害者がプラットフォームや国境を超えて子どもを特定し、手なずけ、搾取することが容易になっており、人工知能を利用した新たな形態の虐待も生じています。子どもたちを単に保護の対象として見るのではなく、『害を与えない(Do No Harm)』の原則が遵守できる場合には、自らの生活に影響を及ぼす法律、政策、プログラムの策定、実施、評価の過程に子どもたちが参加できるようにするべきです」。
【全文】UN expert calls for shift from commitments to real protection for children