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日本政府は「法の支配」を守り、国際刑事裁判所を支持せよ IMADR声明

 反差別国際運動は、米国政府による国際刑事裁判所(ICC)の解体を目的とする一連の措置に強く抗議する。日本政府は米国によるこれら措置に異議を唱え、ICCが独立性を確保しながらその役割を果たすことができるよう、一貫して支持していくことを言明すべきである。

 ICCは、1998年採択のローマ規程に基づき、戦争犯罪、ジェノサイド、人道に対する罪など重大な犯罪を犯した個人の刑事責任を追及する世界初の常設裁判所として2002年に設立された。未曾有の被害をもたらした世界大戦後も、世界では戦争、紛争、武力衝突などが止むことなく起こり、そのなかで、一般市民に対する攻撃、強制移送、性暴力、子どもの搾取をはじめさまざまな犯罪行為が繰り返されてきた。ICCは、「これら重大な犯罪を犯した者はいかなる地位にあっても個人の責任を免れるものではない」という「法の支配」の原則のもと、「不処罰」と闘うというミッションを掲げている。

 「不処罰」は打破しなくてはならない。さもなくば、これら重大な犯罪の被害者や家族が有する真実を知る権利、正義を求める権利、救済を受ける権利が完全に無視されることになる。一方、それら行為を犯しても「罪に問われることはない」と分かれば、同様のことが繰り返され、やがて犯罪の温床を作ることになる。さらに、人びとの間の法に対する信頼が失われ、社会の治安や民主的なガバナンスが壊される。「不処罰」は世界の歴史において無数の被害者を苦しめてきた、そして今も苦しめている。その一例として、IMADRの活動拠点の一つであるスリランカでは、内戦終結から17年経った現在も、内戦中・内戦後のこれら重大な犯罪の被害者が置き去りにされたままである。政府治安部隊によるタミール人に対する意図的で広範で組織的な性暴力の被害者の多くは、今なお司法へのアクセスを拒まれており、推定6万から10万件に及ぶ強制失踪の被害者家族による「真実の究明と責任者の処罰」を求める声にもかかわらず、それら被害者の消息も遺体の所在も未だほとんど判明していない。

 ICCはローマ規程のもと開設された常設の国際刑事裁判所である。旧ユーゴスラビア国際刑事法廷(2017年閉廷)や旧ルワンダ国際刑事法廷(2015年閉廷)のように、事後に国連安保理決議のもと設けられた国際刑事法廷とは決定的に異なる点がある。ICCのその存在は、これら中核となる重大な犯罪を犯した個人は刑事的に裁かれるということを常に世界に知らしめていると同時に、これら戦争犯罪は未来に対する脅威であるという事前の警告を常に発している。

 米国政府によるICCへの不当な攻撃はさらにレベルを上げ、国務省は、2026年7月に「米国の主権に対するICCの脅威を取り除く」という声明をだし、8月18日には赤根智子ICC所長と検察局所属のセネガル出身の弁護士も米国の新たな制裁対象にすると発表した。赤根智子所長は、2026年8月の会見において、「法の支配」に対するこのような「力による正義」は決して世界だけの問題ではない、国内の司法にも及びかねない脅威であると私たちに促した。最後に、反差別国際運動は日本政府に対する要請を繰り返す。

1. 米トランプ政府に対し、日本政府の推薦をうけICC裁判官選挙で当選を果たした赤根智子現所長を守るべく、米国政府が赤根所長に対して出した制裁措置を直ちに解除するよう申し入れること。

2. さらに、米国政府がこれまで発出してきたICCに対するその他すべての制裁措置を直ちに解除し、今後、このような不当な圧力をICCにかけないよう申し入れること。

3.世界にはこれら重大な犯罪に苦しむ被害者が無数にいることを想起し、ICCはこれら人びとにとって「法の支配の最後の砦」であることを再確認し、ICCが安全で独立性を確保しながらその任務を果たせるよう、全面的に支持していくことを言明すること。

2026年9月1日   

反差別国際運動(IMADR)

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