2025.02.3

国連人権アップデート 02/03/2025 No.24 

■第一回強制失踪会議で世界の声が一つになる (1月25日)

 2025年1月15日から16日、スイス・ジュネーブで、強制失踪の被害者の家族が集まる初めての「強制失踪世界会議」(World Congress on Enforced Disappearances, WCED) が開催されました。「ここに来て、他の人たちに会い、皆さんの話を聞きました。そして、弱さを強さに変える力を得ました。」ネパール出身のパラリーガルで「Advocacy Forum Nepal」で活動するスワスティカ・マリはこう言いました。彼女の父親は 20 年以上前に「失踪」しました。「国や事件の中身はそれぞれ異なるかもしれませんが、痛みは同じです。ここは、私たちが癒され、自分は一人ではないと気づくことができる場所です。」
スイス・ジュネーブで、強制失踪防止条約イニシアティブ、強制失踪委員会(CED)、強制失踪作業部会、国連人権理事会の共催により開催された第1回強制失踪世界会議には、120 カ国以上から 720 人の参加者が集まり、オンラインでは 1,392人が参加しました。
 このイベントは主に失踪者の家族が集まるもので、経験や課題、ベストプラクティスを共有する場となりました。また、正義、真実、補償、そして将来の失踪防止に向けた集団的な道筋を形作る上で重要な一歩となりました。「行方不明者の家族は互いに連携し、地域的な運動、世界的な連合を形成しました」と、CED の議長を務めるオリビエ・ド・フルヴィル氏は述べました。「彼らは長年にわたり、この権利を擁護し、条約の採択と批准を訴えてきました」。ド・フルヴィル氏は、条約採択から約 20年が経過した今、この第1回世界会議は世界的な運動を再び活性化させることを目的としていると述べました。

記事全文はこちら Global voices unite at the first World Congress on Enforced Disappearances

■「デジタルの権利は人権」サイバー上の性差別と闘う (12月16日)

 シャンリー・クレモ・マクラーレンが、オンライン上の性差別や、ソーシャルメディアやインスタントメッセージのプラットフォームに溢れる女性に対するオンライン・ハラスメントの増加に気づき始めたのは、新型コロナウイルス感染症によるロックダウン中のことでした。
 「それまではサイバーセクシズムの存在すら知りませんでした」と、フランス出身の 25歳 のフェミニスト活動家クレモ・マクラーレンは言います。「パンデミックの間、私たちの生活はオンラインに移行し、ソーシャルメディアの利用が増えるにつれ、オンラインでのジェンダーに基づく暴力が爆発的に増加しました。その数は膨大でした。 少女や若い女性のプライベートなコンテンツが、彼女たちの同意なしに公開され、デジタル空間で彼女たちを辱めるために、プラットフォームによるいかなる規制もなしに表示されていました。」
 彼女はこれらの投稿やコメントをソーシャルメディアのプラットフォームに報告しましたが、コンテンツは増え続けました。被害者の名前、住所、電話番号、学校などの個人情報を使用し、都市や町ごとにアカウントが作られていました。「広がるのはあっという間でした」。そこでクレモ・マクラーレンは他の若い女性活動家たちと一緒に、画像による性的虐待やオンライン上のジェンダーに基づく暴力と闘うためのプラットフォーム、#StopFisha を立ち上げることにしました。「フィシャ」はフランス語の「アフィシェ」(公の場で誰かを辱めたり恥をかかせたりするという意味)を指すスラングです。

記事全文はこちら “Digital rights are human rights:” Women activists fight cybersexism

■企業のサステナビリティと環境に対する権利に関する会議 Corporate Sustainability and Environmental Rights in Asia Conference が 3月18日から19日まで、タイ・バンコクの国連カンファレンスセンターで開催されます。詳細はこちら https://www.cserasia.com/

翻訳・抄訳: 反差別国際運動(IMADR)

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