2024年11月25日から27日の3日間にわたり、第13回国連ビジネスと人権フォーラムがジュネーブで開催されました。
このフォーラムは、2011年に国連ビジネスと人権に関する指導原則が採択された翌年から毎年開かれ、世界中の政府、国際機関、企業、市民社会組織、労働組合、弁護士、研究者が、その実施と推進における主要な動向、課題を議論してきました。
今年のテーマは、ビジネスにおいて人権尊重を促進するための、国内的・国際的、義務的・自発的な措置を組み合わせた「措置のスマートミックス(賢い組み合わせ)」でした。特に、人工知能(AI)、救済へのアクセス、気候変動、先住民族の権利、人権デューディリジェンスの分野における、国、地域、世界レベルでのスマートミックスに関する具体的な取り組みや主要なトレンド、展望などが検討されました。
IMADRでは、活動に関連のある以下のセッションに参加しました。この簡易レポート第一弾は、それらセッションで議論された内容と結果を要約したものです。
● オンライン上の人種差別への対応:権利を尊重するコンテンツモデレーションのための措置のスマートミックス
● 若者主導のイニシアティブによってビジネスと人権へのコミットメントを変革へ繋げる
**スマートミックス:強制的、自発的また国内、地域、国際の措置を賢く組み合わせること
**コンテンツモデレーション:インターネット上のコンテンツをチェックして、不適切なものを削除する仕事
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フォーラム全体のプログラム(一部)
*後日配信のあるものだけ抽出しています。それぞれのプログラム名をクリックすると国連の該当のページに繋がります。
11月25日(月)
ー 職場の外も含め、障がい者のための合理的配慮について検討する
ー AI における責任ある企業行動の促進:権利を尊重するAIガバナンス・ソリューション推進のために、多様な地域におけるステークホルダーから学ぶ
ー 移民・ビジネスと人権:国連総会に向けた2025年報告書のための協議
ー グリーンエコノミーへの公正な移行に金融関係者の貢献を活用するためのスマートミックス
ー ボトムラインを超える:仕事における基本的権利を促進するための効果的なパートナーシップ
ー スマートミックスは人権擁護家、先住民族、アフリカ系のコミュニティにとって有効なのか?
ー 中小企業のエンパワメント:ビジネスと人権における啓発と能力構築
ー ビジネスと人権に関する法的拘束力のある文書の策定に向けた10年に及ぶ協議と交渉:進歩と残る課題
11月26日(火)
ー アジア太平洋地域におけるビジネスと人権に関する国内行動計画は機能しているか?
ー インクルーシブ・バリューチェーン:効果のある人権デューディリジェンスのためのステークホルダー間の協力の強化
ー 中央および東ヨーロッパ、中央アジアにおけるスマートミックスとヨーロッパ法制の進展がもたらすもの
ー オンライン上の人種差別への対応:権利を尊重するコンテンツモデレーション**のためのスマートミックス
ー ラテンアメリカにおけるより効果的な企業の説明責任に向けて:防止、是正、方策設計への参加
11月27日(水)
ー 人工知能の調達と配備そして国連指導原則:人権理事会に向けた2025年報告書のための協議
ー 中東および北アフリカ地域におけるビジネスと人権を強化するための進歩と可能性
ー ビジネス活動においてLGBTI+の人びとの権利を守り、尊重するためのスマートミックス
ー スマートミックスの実践:アフリカにおけるビジネスと人権を推進するための進歩と可能性
ー 若者主導のイニシアティブによってビジネスと人権へのコミットメントを変革へ繋げる
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