■ミャンマーでは「人権の崩壊」が猛スピードで進んでいる (6月18日)
ヴォルカー・ターク人権高等弁務官は人権理事会第56会期でミャンマーの人権状況について次のようにスピーチを行いました。
「東南アジアを訪問から戻ってきました。ミャンマーの市民社会から、この危機が地域に及ぼす深刻な影響と、この大惨事を食い止めるためのリーダーシップと力が緊急に必要であると聞きました。ミャンマー軍は、恐怖政治を維持するために外貨や武器を入手し続けています。一方、ミャンマーの人びとに対する国際的な財政支援はわずかなものにとどまっています。しかし、希望も目の当たりにしました。ミャンマーの市民社会、人権擁護者、難民の人たちとの話し合いの中で、ミャンマーの未来に向けた包括的なビジョンを打ち出そうと、新しい世代の人たちが先頭に立って頑張っている姿を見ました。
マレーシアでは、ミャンマーのほぼすべての民族コミュニティの代表者と一堂に会しました。数年前であれば、ロヒンギャと他の民族コミュニティがひとつのテーブルを囲むことは考えられなかったことです。私は彼らの連帯と希望に感動しました。
タイでは、さまざまなコミュニティや背景を持つミャンマー市民社会の代表や人権擁護者たちが、軍による権力掌握と暴力の拒絶、説明責任の要求、より良い未来に向けた共通の目的意識をもって団結しています。
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Myanmar: a breakneck speed “disintegration of human rights,” says High Commissioner
スピーチで言及されているマレーシア訪問では、テュルク氏は移民や難民のコミュニティの人たちと食事を共にし、その様子をXやInstagram等に投稿しています。訪問を終えて公表した声明では、人権に根差した移民の計画と難民保護の仕組みを包括的に策定する必要があると述べています。こちらから。
■小さな島国が直面する気候問題 (6月18日)
「私は生物学者なので、人権と正義へのアプローチは、私にとって新しい分野です」。カリブ海天然資源研究所(CANARI)のエグゼクティブ・ディレクター、ニコール・レオトーは言います。「現場の関係者、社会的弱者、社会から疎外された人びとと共に働き、彼・彼女らの話を聞き、その課題を目の当たりにするとき、公平、正義、人権の問題に目を向けずにはいられません」。
レオトーは、昨年5月にアンティグア・バーブーダで開催された第4回小島嶼開発途上国国際会議(SIDS4)に出席しました。この会議は、2030アジェンダを含む持続可能な開発を達成するためのSIDSの能力を評価することを目的とし、政府関係者、市民社会、専門家、そして国連人権を含む複数の国連機関が参加しました。CANARIは、カリブ海諸島の開発に不可欠な再生可能天然資源の管理における利害関係者の参加と協力を促進する組織です。
「健全な生物多様性と生態系は、生命維持に不可欠です。私たちの活動は、これらの自然資源をどのように持続可能な形で利用し、保全し、保護し、回復させるかという意思決定に人びとが参加できるよう支援することです」、とレオトーは言います。「カリブ海では、文化的に自然との真のつながりを感じています」。
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“Small islands bear a climate crisis they did not create”
■6月20日の世界難民の日にあわせて国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発表した2023年版難民の動向に関する報告書(Global Trends Report)によると、2023年末の時点で、難民等の移住を強制された人は11億7300万人に達しています。これは地球上の人口の69人に1人の割合であり、12年連続で増え続けています。2024年4月末の時点では12億人を超えていたであろうと予測されています。報告書はこちら
翻訳・抄訳:反差別国際運動(IMADR)