2023年8月7日から31日まで、人種差別撤廃委員会の第110会期が開かれた。この会期では、クロアチア、イタリア、ナミビア、セネガル、トルクメニスタン、ウルグアイの審査が行われた。これらの国に対する委員会の総括所見は110会期のWebページで閲覧可能。
委員会は同会期中、スロヴァキア国籍のロマの人々により提出された個人通報事案の審査も行った。この通報では、警察がロマ集住地区に対する作戦において暴力的な扱いをしたことに加えて、ロマの申し立てに関して当局が適切な調査や起訴を行わなかったとされていた。委員会は、この通報は国内で取りうる救済手段の全てを用いたとは言えず、加えて期限後の提出であったことから、認めることはできないと判断し、手続き上の理由で却下とした。
委員会はまた、エストニア、デンマーク、カザフスタン、ルクセンブルクにより提出されたフォローアップ報告書の検討も行った。
早期警戒・緊急措置手続きの下では、アメリカの大学によるアファーマティブ・アクションに関する最高裁の決定について声明が採択された。また委員会はコロナウイルスワクチンへの平等かつ非差別的なアクセスの欠如に関する決議を採択した。
委員会は人種差別と健康の権利に関する一般的勧告の策定を進めており、世界保健機構、パン・アメリカン保健機構、学術者などの専門家との協議を行い、これらの専門家から、一般的勧告第一草案についての口頭意見が提供された。草案は委員会のウェブサイトで閲覧可能。
委員会の公開会議の要約はこちら、ウェブキャストビデオはこちらから視聴可能。
総括所見およびその他会期に関する文書はこちら。
委員会の次回会期は、2023年11月20日から12月8日まで開催され、ボリビア、ブルガリア、ドイツ、モロッコ、南アフリカ、ベトナムの審査が予定されている。