2017.10.11

UPR日本審査に向けたNGO情報の要約が公表されました

UPR日本審査(20171114日ジュネーブ)に関してNGOが人権理事会UPR作業部会に出した情報が要約報告としてまとめられ、このほどUPR Infoのウェブサイトにアップされました。これは国内を中心に、外国あるいは国際NGOも含む多数のNGOが提出した日本の人権状況に関する情報をまとめたものです。要約報告の主要な部分である国際人権法の国内実施義務の履行に関するセクションは、①横断的課題、②市民的及び政治的権利、③経済的、社会的および文化的権利、そして④特定の集団の権利の4分類のもと、NGOが提供した情報がまとめられています。その内容の概略を、人種差別およびマイノリティの権利の側面から以下のとおりに紹介します。

①においては、包括的な人種差別禁止法の不在、ヘイトスピーチ解消法における禁止条項の欠如、外国人が雇用や賃貸住宅入居において受けている差別、性的指向とジェンダーアイデンティティに基づく差別などが含まれています。

②においては、特定秘密保護法の見直し、辺野古・高江などで見られる報道の自由に対する妨害、沖縄における平和的な集会の権利の保障、外国人の地方参政権の問題、「慰安婦」被害者を中心においた包括的なアプローチの不在とすべての被害者に対する完全で効果的な賠償の必要性の指摘などが含まれています。

③においては、沖縄の米軍基地と騒音被害や軍用機墜落および土壌汚染などの問題、マイノリティの子どもの教育の権利の問題、朝鮮学校の無償化排除の問題などが含まれています。

④においては、先住民族の権利宣言に基づいたアイヌ政策の必要性、移住者の権利保護の確立、技能実習制度実施における人権侵害の問題、そしてIMADRが部落差別の問題として提出した雇用や結婚における差別、ネット上に氾濫する部落差別の書き込みや部落に関する情報の流布、さらにマイノリティ・先住民族女性の教育や雇用における格差の問題、マイノリティコミュニティのDV被害女性に対する相談体制の欠如の問題、などが含まれています。

「ステークホルダーの提供による情報の要約」と題したこの報告は、日本政府が提出した報告やその他の情報とともに、1114日に開かれるUPR日本審査の審査材料となります。また、それより前の1012日には、UPR日本審査に関するNGOプレセッションがジュネーブで開かれ、IMADRを含むNGOが各国政府代表に情報を提供します。

** IMADRUPR審査に向けて作成した日本の人種差別とマイノリティのインフォグラフィックはこちら

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