国連
国連人権アップデート No.35 先住民族とエネルギーの公正な移行/イスラエルとハマスの停戦合意
■先住民族とエネルギーの公正な移行 (10月8日)
アマゾンの豊かな森林から北極の氷に覆われた広大な地域まで、正義を求める世界的な闘いの最前線に二人の女性の存在があります。
ジョニア・ワピチャナさんとサラ・オルスヴィグさんは、化石燃料からの脱却をめざすエネルギー転換が先住民族の権利を犠牲にして行われないようにする運動で、主導的な役割を果たしています。
「エネルギー転換は正義に基づいて構築されなければなりません」と、ブラジル国立先住民財団(FUNAI)のワピチャナ理事長は言います。「地球のためだけでなく、何世代にもわたり地球を守ってきた人々のためにも」
「北極圏は氷の砂漠や開発の最前線として描かれることが多いです」と、イヌイット環極評議会のオルスヴィグ議長は言います。「しかし北極圏には人が居住しており、北極圏先住民族の自己決定権は守られなければなりません」こう警告しました。
持続可能なエネルギーシステムへのジャスト・トランジション(公正な移行)は、地球規模の気候危機がもたらす喫緊の課題への対処に不可欠です。しかし、その対処が人権上の義務にしたがって行われない場合、これまでの不平等、疎外、環境不正義を深刻化させる危険性があります。特に先住民族にとってその影響は大きいのです。
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Indigenous Peoples call for just energy transition
■イスラエルとハマスの停戦合意について 人権高等弁務官の声明 (10月9日)
本日の極めて重要な発表を受け、私はすべての加盟国に対し、停戦計画が誠実に実施されるよう協力して取り組むよう呼びかけます。今後のあらゆる行動は、殺戮、飢餓、破壊を終わらせ、人質および恣意的に拘束されているパレスチナ人の安全かつ尊厳ある帰還という目前の目標を達成するために行われるべきです。
ガザにおける保護と人道的ニーズは膨大です。人道支援、人道・保護活動従事者、国際ジャーナリスト、国際人権監視員に支障なくアクセスできることが重要です。
和平をぶれない目標に定めて交渉を続けることで、この機運を敵対行為の恒久的な停止へと導くことができます。そうすべきです。東エルサレムを含む占領下のヨルダン川西岸地区の状況も常に念頭においておかなくてはなりません。復興の一環として、包括的な移行期正義のプロセスも必要です。世界が目撃した国際人権法に対する重大な侵害や国際人道法に対する重大な違反に対する説明責任を求めていかなくてはなりません。
私は戦争と憎悪を煽る有害な言説の終結を強く求めます。
パレスチナ人民の自己決定権の実現、そしてパレスチナ人とイスラエル人が平和と安全の中で確実に共存することがこのプロセスの究極の目標として維持されなくてはなりません。
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Türk says ceasefire plan must lead to permanent end of hostilities, full humanitarian access
■第50回定期的普遍的審査 (UPR)(第4サイクル) が11月3日から14日まで予定されています。
今回の UPR は、アンドラ、ベラルーシ、ブルガリア、クロアチア、ホンジュラス、ジャマイカ、リベリア、マラウィ、モルジブ、マーシャル諸島、モンゴル、パナマ、アメリカ合衆国が対象です。
https://www.ohchr.org/en/hr-bodies/upr/upr-home
翻訳・抄訳 反差別国際運動(IMADR)