国連
国連人権アップデート 03/21/2025 No.26
■国家による暴力に対する救済を求めて(メキシコ) (3月19日)
2010年3月19日の未明、ホルヘ・アントニオ・メルカード・アロンソとハビエル・フランシスコ・アレドンド・ベルドゥゴは、大学を出たところでメキシコ軍に殺害されました。2人はメキシコ北部ヌエボ・レオン州にあるモンテレイ工科大学の学生でした。
公式発表では、2人の学生は殺し屋であり、銃撃戦で死亡したとされています。15 年が経過した今も、2人の家族は正義を求め続けています。
コアウイラ州サルティージョ出身のホルヘは、子どもの頃は体操に夢中で、高等教育では工学を専攻しました。バハ・カリフォルニア州トドス・ロス・サントス出身のハビエルは、几帳面で熱心な学生でした。
「3月18日、ホルヘと話をしたとき、あの子は、『ママ、もし今夜電話かけなくても心配しないで。やることがたくさんあるんだ、ハビエルも一緒だから』と言ったんです」とホルヘの母親、ロサ・エルビア・メルカード・アロンソさんは語りました。
翌朝、家族は大学の外で銃撃戦があったというニュースを知りました。
「2人の犯罪者が殺されたというニュースを聞き、喉に何かがつかえたように、胸が締め付けられたように感じました、」とホセの父親 ジョエル・メディナ・サラサールさんは言いました。息子と連絡がとれないため、メディナ・サラサールとメルカード・アロンソはモンテレイまで息子を探しに出かけました。
大学側は新しい情報をもちあわせていなかったため、2人は必死で病院を探しまわりました。最終的に、病院の法医学サービスで、暴行を受け、顔が変形した状態で放置されている2人を見つけました。
「9年後、軍が私たちの家に来て、葬儀費用を支払うと申し出ました。私たちは怒りました。私たちはただ、武器を手にした犯罪者として告発されたホルヘとハビエルの名誉を回復したかっただけです、」とメルカード・アロンソさんは言いました。
家族の粘り強い努力、人権活動家グループの支援、国連の働きかけにより、政府は公式に謝罪し、2024 年 12 月には、犯行現場の証拠改ざんに関与したとして、5人の軍人に対して有罪判決がでされました。ハビエルの叔父であるヘスス・アレドンド・ロドリゲスさんにとって、この判決と謝罪は前進ではあるものの、正義が完全に実現したわけではありませんでした。
記事全文はこちら
Seeking justice for violence in Mexico
■ 現在、国連機関や特別報告者等が多様なトピックで情報提供 (call for input) を受け付けています。下記はその一部です。
Special Rapporteur on the rights of Indigenous Peoples (先住民族の権利に関する特別報告者)
Recognition of Indigenous Peoples 先住民族の認知
締切り:3月28日
Special Rapporteur on contemporary forms of slavery (現代的形態の奴隷に関する特別報告者)
The worst forms of child labour – taking stock of progress and remaining challenges 最悪の形態の児童労働 締切り:3月31日
Special Rapporteur on contemporary forms of racism (現代的形態の人種差別に関する特別報告者)
Intersectionality from a racial justice perspective 人種的公平性の視点からみた交差性
締切り:3月31日
翻訳・抄訳 反差別国際運動(IMADR)