2024.08.6

国連人権アップデート 08/06/2024 No.15

スポーツでの、そしてスポーツを通じた、インクルージョンの促進(7月26日)

フランス・パリで開催されているオリンピック・パラリンピック大会に関して、障がいを持つアスリートや難民のアスリートを含めた様々な背景を持つアスリートの保護と包摂を訴える特集記事が掲載されています。

「3歳のころ、毎日私は、父が仕事から帰ってくるのを今か今かと待っていました。いつも一緒に行っていたドライブが待ちきれなかったからです。ある日、いつものように父が帰宅し、私をチャイルドシートに乗せ、運転席に移ろうとしたとき、車が爆発しました」、イラク出身の卓球パラリンピアン、ナジュラ・イマド・アル=デイエニは語ります。彼女はフランスのパリで開催される2024年パリパラリンピック大会に出場する予定です。
 「当時、私は何が起きたのかわかりませんでした。爆発で両足と右手を失いました。爆破の勢いで隣の家の屋根に投げ飛ばされたと知ったのは、後になってからでした。両親はショックから立ち直ることができませんでした。」
 数週間後に意識を取り戻したとき、アル=デイエニは母親に「私の手足はどこに行ったの」と尋ねました。母は、手足は天国に行ったのだと答えました。
 「その時、私は自分の身体と精神の重要な部分が取り返しのつかないほど失われてしまったという現実を理解し始めたのです」。
 その時以来、アル=デイエニは多くの困難に直面してきました。
(中略)
 難民オリンピックチームもまた、過去最多の36人の難民アスリートとともに2024年パリオリンピックに出場します。これは、世界中のアスリートや避難民がスポーツを通じて見い出した、包摂と帰属の力強い象徴です。
 南スーダンの難民アスリートであるイーチ・パー・ビールは、2005年に戦争から逃れ、
ケニア北部のカクマ難民キャンプに到着しました。彼は、難民アスリートを認定する試験で運動能力が認められました。2016年、ビールはブラジルで開催されたリオ夏季オリンピックの800m競技に出場し、初の難民オリンピックチームとして歴史に名を刻みました。
 「アスリートとして、私はオリンピックという世界的な舞台で避難民を代表する特権を得た……若者として、私は人々を結びつけるスポーツの力を身をもって体験した」、と彼は語りました。

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Promoting inclusiveness in and through sports

シンガポールでの死刑執行(8月2日)

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の東南アジア地域事務所は、シンガポールでの死刑執行について、遺憾とするコメントをインスタグラムに投稿しています。

「シンガポール:国連人権高等弁務官事務所は、2024年8月2日に45歳の男性が麻薬関連犯罪で処刑されたことを遺憾に思う。私たちは同国政府に対し、死刑の執行を直ちに停止し、廃止を検討するよう求める。国際法上、薬物関連の犯罪は死刑が適用されうるような最も重大な犯罪には該当しない。」

インスタグラムはこちら

参照: 2023年4月26日のシンガポールでの死刑執行に対する国連専門家の声明(こちら

翻訳・抄訳:反差別国際運動(IMADR)

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