■国連総会、人工知能 (AI) に関する決議を採択
3月21日
国連総会は、安全で信頼性が高く、またすべての人にとっての持続可能な成長に資する人工知能 (AI) を促進する決議を採択しました。
この決議は、米国がリードして起草された案を、投票なしで採択をしたもので、AI の設計、開発、実行と使用に関して人権の尊重、擁護と発展が重要となることも強調されています。決議案は、120を超える加盟国の支持をえました。
国連総会はまた、17の持続可能な開発目標の達成に向けた進展を加速する AI の可能性も確認しました。総会がこの分野の規制に関する決議を採択するのは初めてです。米国の国家安全保障顧問は今月初め、この採択は AI の安全な利用にとって「歴史的な前進」を意味すると述べたと報じられています。
オンラインでもオフラインでも権利は同じ
総会は、「人工知能システムのライフサイクル全体を含め、人びとがオフラインで有する権利と同じ権利がオンラインでも保護されなければならない。」として、すべての加盟国と利害関係者に対し、「国際人権法を遵守して運用することが不可能な、あるいは人権の享受に過度のリスクをもたらすような人工知能システムを使用しないようにする、または、使用を中止すること」を求めています。
総会ではまた、すべての国、民間セクター、市民社会、研究機関、メディアに対し、AIの安全、安心、信頼できる利用に関する規制とガバナンスのアプローチと枠組みを開発し、支援するよう促しました。
デジタルデバイドの解消
総会はさらに、各国間および各国内の技術開発の「レベルは様々」であり、発展途上国が技術革新の急速なペースに追いつく上で独自の課題に直面していることを確認しました。
そして、途上国が包括的かつ公平なアクセスの恩恵を受け、デジタルデバイドを解消し、デジタルリテラシーを高めることができるよう、加盟国および利害関係者が途上国と協力し、支援するよう促しています。
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General Assembly adopts landmark resolution on artificial intelligence
■「女性、命、自由」デモで拘束された被害者、国の刑事責任を求める
3月26日
「彼らは私たちを二つに分け、まるで反対しているのは私たちではなく彼らであり、この国は私たちのものではなく彼らのものであるように言うのです」とベヘナズ・アマニさんは言います。「逮捕されたときから、彼らは私に、女性として尊敬に値しないからこの国から出ていき、二度と戻ってこない方がよいよと言い続けました。しかし、彼らのなかに女性への尊敬の念を見たことはありません」。
アマニはイランの元学者です。彼女は、2022年9月16日からイランで広がった「女、命、自由」抗議デモのときに投獄されました。このデモは、イランのヒジャーブ法を守らなかったとして逮捕された22歳のイラン系クルド人女性、ジナ・マハサ・アミニが拘束中に死亡したことに対して始まりました。
国連人権理事会は、2022年11月24日採択の決議S-35/1のもと、これらの抗議行動に関連する人権侵害の疑惑を調査するため、独立したイランに関する国際事実調査団(FFMI)を設置しました。FFMIの報告書は、第55会期国連人権理事会で発表されました。
報告書の作成にあたり、FFMIは2万7000点を超える証拠品を収集し、被害者や目撃者から134件の詳細な聞き取り調査を行い、デジタル専門家、法医学専門家、国内法および国際法の専門家から証拠と分析を収集しました。また、政府の公文書やイラン人権高等評議会の41の報告書を検討し、イランの「2022年動乱調査特別委員会」と意見交換を行いました。FFMIは、イラン・イスラム共和国が、不法な殺害や殺人、不必要かつ不均衡な武力行使、恣意的な自由の剥奪、拷問、レイプ、強制失踪、民族や宗教に基づく差別とジェンダー差別が交差した迫害など、国際法上の甚だしい人権侵害の責任を負っていることを明らかにしました。FFMIは、これらの侵害が女性、子ども、民族的・宗教的マイノリティに不釣り合いな影響を及ぼしていることを明らかにしました。
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“Woman, Life, Freedom” survivors want to end State impunity in Iran
【翻訳・抄訳 反差別国際運動(IMADR)】