■生成AI技術の開発は人権を中心に
ヴォルカー・ターク国連人権高等弁務官は、2月14日、スタンフォード大学での講演で、生成AIの技術は人権を中心に開発されなければならないと訴えました。
「こんにちは、 本日、皆様とお話しできることを大変嬉しく思います。人権・国際司法センターと、このイベントを主催してくださったスタンフォード大学の共催者の皆様に心からお礼申し上げます。
スタンフォード大学は、AI(人工知能)分野において世界のトップランナーのひとつです。一例を挙げれば、スタンフォード大学のAIラボは1963年以来、革新的な研究の先頭に立ってきました。
AI自体は新しいものではない、これは明らかです。しかし、今日の急速かつ激震的なシフトが、これまで誰も遭遇したことのない課題を突きつけていることも周知の通りです。
私たちは皆、ディストピア的なシナリオを耳にしたことがあります。制御不能な現象の渦、そして絶滅の可能性へと向かって夢遊病者のように突っ走って行く世界です。あるいは、AIはがんを治療し、地球温暖化を終わらせ、空腹を満たすための秘密を解き明かす可能性を秘めているかもしれません。しかし、AIが私たちを殺すか救うかというこの両極の間にあるのが、今日の世界です。そこでは、幅広い分野におけるAIの将来性が実現されつつあり、一方で、今日すでに、膨大な数の人びとが、生成AIを含む高度なAIがもたらすこれまでにない人権への影響を受けています。」
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■人権理事会諮問委員会第31会期ー技術と人権に関する議論
人権理事会諮問委員会は、ジュネーブでの第31会期を終えました。2月19日から23日までの会期中、同委員会は人権理事会から委嘱された2つの研究:ニューロテクノロジーと人権に関する研究;軍事領域における新技術および新技術の人権への影響に関する研究:を取りあげました。
会期は2月19日、人権理事会議長のオマール・ズニベール大使によって開会されました。議長は委員会の新メンバーを歓迎するとともに、委員会のメンバーが初めて男女同数に達したことに感謝の意を表しました。議長はまた、理事会の「シンクタンク」としての同委員会の役割を想起し、委員会の2つの最新報告書、すなわち、制度的人種主義を根絶することによる人種的公正と平等の促進に関する報告書と、気候保護を目的とする新技術が人権の享有に及ぼす影響に関する報告書の提出を歓迎しました。議長はさらに、2023年9月の人権理事会第54会期中に開催された双方向対話において、国家やNGOなどのステークホルダーとの議論が成功であったと述べました。
ズニベール大使は、「私はまた、諮問委員会が現在取り組んでいる2つの研究を待っています」と言い、多くの関係者がこれらの研究への支持を表明していると述べました。
ハビエル・パルンモが議長を務めた諮問委員会の会期中、すべての人権の促進と保護に関するニューロテクノロジーの影響、機会、課題(人権理事会決議51/3)、そして、軍事分野における新技術および新技術の人権への影響(人権理事会決議51/22)の2つの研究に取り組みました。
ニューロテクロジーについて、委員会は草案作成グループに対し、行われた議論に照らして報告書を最終化するよう要請し、委員会の全メンバーに回覧して承認を得た後、2024年9月-10月の人権理事会第57会期に提出することを決定しました。
軍事領域における新技術および新興技術の人権への影響について、委員会は、第30会期終了後に配布された口上書および質問状に対する加盟国およびその他のステークホルダーからのインプットを歓迎し、委員会は起草グループに対し、ステークホルダーからのインプットと今会期で行われた議論を考慮して、第32会期で報告書の予備草案を提出するよう要請しました。
第31会期に関する文書は、諮問委員会の会期ウェブページで閲覧可能です。第32回人権理事会諮問委員会は、2024年8月5日から9日までジュネーブのパレ・デ・ナシオンで開催される予定です。
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【翻訳・抄訳:反差別国際運動(IMADR)】