2023.12.28

国連人権アップデート 12/28/2023 No.2

人権75 ハイレベルイベント: 団結して変えよう

「私たちは希望の基礎を再構築するためにここにいます。厳粛なこの歴史的瞬間に、おそらくこれまで以上に最も必要とされる希望のために」。スイスのジュネーブで開催された人権75 ハイレベルイベントの冒頭で、フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は各国首脳に向けた声明を発表した。「無秩序と分断。複雑で冷酷な地政学。深まる不平等。そして恐怖 …… 相互の信頼、そして私たちを導いてきた制度に対する信頼は著しく落ちている」。
世界人権宣言採択75周年を記念し、国連人権サミットが12月11日から12日にかけて開催され、加盟国、市民社会のステークホルダー、専門家、アーティスト、若者、人権擁護者らが一堂に会した。
スイス政府との共催で開かれた国連人権サミットは、人権の保護と促進がこれまで以上に重要な意味を持つ今、人権の未来に向けた共通のビジョンを策定し、宣言の採択に至った精神を再生させる機会となった。
75年の間、宣言は、平等、基本的自由、正義を社会に浸透させることを目標としてきた。宣言は、すべての人間の権利を謳い、国際、国、地方レベルにおける法律や政策のための世界的な青写真であり、持続可能な開発のための2030アジェンダの基盤である。
テュルク人権高等弁務官は、パレスチナ占領地とイスラエル、ウクライナ、スーダン、ミャンマー、その他多くの場所での紛争が、良心の痛みもないまま、民間人にひどい苦しみを与えていることを参加者に思い出させた。

記事全文はこちら:HR75 high-level event: United for change

国連専門家「オランダはすべての人の適切な住居をえる権利の行使を直ちに断言すべき」

適切な住居の権利に関する国連特別報告者であるバラクリシュナン・ラジャゴパル氏は、住宅危機にあるオランダに、すべての人のための適切な住居をえる権利を断言し保護する必要があるとして、緊急の注意喚起をした。深刻な住宅危機にあるオランダは、構造上問題のない公営住宅の取壊しを停止し、気候変動とエネルギー転換の目標を遵守し、差別なくすべての人に十分な住宅を確保するシステムを導入すべきだと警告した。
「住宅危機は事実だ。しかし、オランダはそれを移民や外国人のせいにいしすぎている。住宅危機は移民の危機ではない。一連のお粗末な政策決定により生じた危機であり、全体として適切な住居に住む権利に対する強制力のある法的承認の欠如から生じた危機である」。特別報告者の評価では、オランダの住宅危機は、司法へのアクセスを含む住居に対する人権アプローチの不在、政府省庁や自治体間における住宅政策の分断、調整の欠如、公営住宅供給者のガバナンスの欠如などに起因している。オランダの公営住宅は貴重な遺産であり、保存して拡張するべきだが、その管理には、説明責任が果たせるよう基本的な再構築が必要である。「住居は人権である。住居は商品でもなければ、政府や誰かによる施しでもない。オランダはこれを認識するためのパラダイムシフトが必要だ」と特別報告者は強調した。               記事全文はこちらから:The Netherlands should urgently assert the right to adequate housing for all: UN expert

マイノリティ・アーティストのための国際コンテスト

21年前に採択された「マイノリティの権利に関する国連宣言」の記念日にあたる12月18日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、マイノリティ・ライツ・グループ・インターナショナル、フリーミューズは、Memory in the Present(今ここにある記憶)をテーマに、マイノリティのアーティストの国際コンテストを行う。作品の募集期間は2024年2月15日まで。詳細はこちらから

                          (翻訳・抄訳 IMADR)

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