IMADR通信
NEWS LETTER
特集:人種差別と健康の権利
「人種差別という毒が、私たちの世界を蝕み続けています。歴史的な奴隷化、植民地主義、差別という有害な遺産として。それはコミュニティを腐敗させ、機会を妨げ、生活を壊し、尊厳、平等、正義の基盤そのものを浸食しています。・・・2025年は「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の採択から60周年にあたります。この条約は、あらゆる形態の人種差別を根絶するための力強いグローバルなコミットメントです。・・・拡大する不平等や敵意を収益化するアルゴリズム、私利のために分断を目論む者たちに煽られ憎悪と不和が高まる暗黒の時代の中、この条約は今日も私たちを導く希望の光であり続けています。」
(国連広報センター 3/19プレスリリースより抜粋)
2025年の人種差別撤廃デー(3月21日)に寄せて、グテーレス国連事務総長は上記のメッセージを出した。1965年、国連が最初に採択した人権条約である人種差別撤廃条約は、現在182の締約国を有している。日本がこの条約に加入したのは、採択から30年後の1995年だ。国連採択60年、日本の加入30年という節目にあたる今年、「暗黒の時代の希望の光」となる条約と委員会の働きに敬意を表しながら、人種差別に関するテーマをIMADR通信で追求していく。今号では、人種差別がもたらす健康の権利への影響に関して、国連での議論、そして国外・国内における問題から捉えてみる。