IMADR通信
NEWS LETTER
本の紹介『2024年改訂版 わたし生活保護を受けられますか』
原 優美
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所 スタッフ
三木ひとみ著
ペンコム
1500円+税 2024年10月
国語の教科書が愛読書だった
日本の母子家庭で生まれ育った私は、小学生の頃、母と妹と3人で、南米中央部に位置するボリビアに移住した。日本人移住者も多く、母は日本語学校の仕事をしていたと記憶している。ボリビアは、南米で最も所得水準が低い国で、私たち姉妹の楽しみは本を読むことぐらいだった。中でも、母が日本から持参した小学校~高校までの国語教科書は私の愛読本だった。日本語と日本人としての心を学んだように思う。
そんな私は、10代後半で帰国後、日本で暮らす厳しい環境下にある外国人労働者や、その家族に日本語を教えたいとボランティアを始めた。その縁から、困窮した外国人支援もしていた行政書士の三木ひとみさんに出会い、事務スタッフとなった。
365日、生活保護相談者に寄り添う
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は、24時間365日、生活保護相談者に寄り添う。今では申請サポートの数は、全国1万件を優に越す。「生活保護のサポートは1日たりとも休んではいけない」。それが信念だ。なぜ、それほどまでに? その理由は、2022年7月に出版した三木さんの初の著書『わたし生活保護を受けられますか』で初めて語られた。
国際基督教大在学中に未婚の母となり、就職するもストーカー被害に遭いシェルターに入所。職も家も失い、幼子を抱え生活保護窓口に助けを求めたがけんもほろろに追いかえされる。多額の借金を抱え死ぬことだけを考えていたとき、「娘のために踏ん張りなさい」という周りの人の言葉に救われ、子どもに誇れる仕事をと法律を学び2015年行政書士試験に合格した。
以来、自分たち親子のような、お腹をすかせて絶望の淵にいる人がいなくなるように、「困ったときにはSOSの声を上げ、堂々と申請してほしい。生活保護は、明日への希望の光となる制度」と、待ったなしで対応し続けている。
図書館に揃えておきたい本
コロナ禍で貧困が進み、時の首相が「最終的には生活保護という仕組みがある」と語った年の翌2022年、生活保護の申請から決定までを豊富な事例に基づいて、一般向けにわかりやすく解説し出版した『わたし生活保護を受けられますか』は、「図書館に揃えておきたい本」として図書館振興財団「新刊選書」に選書されるなど、出版と同時に大きな反響をよんだ。生活保護を必要としている人や支援者から「これほどわかりやすい本はない」「生活保護が必要な制度と理解し偏見がなくなった」などの声が寄せられた。
2024年10月には生活保護法等の大幅な改正に伴い、三木さん2冊目の著書『2024年改訂版 わたし生活保護を受けられますか』を出版。小学生にも読めるように難しい漢字によみがなを付け、平易な言葉を使い、索引も充実させた。また、生活保護と、クーラー、自家用車、外国人、進学など、なかなか解決されていないテーマにも切り込んだ。
「三木さんは闘う行政書士。きっとあなたの力になってくれる。申請に行くときはこの本を持っていこう!」。
社会学者 上野千鶴子さんが力強い推薦文を寄せている。