2013.06.24

IMADR-JCが第24回総会を開催し、総会アピールを採択

反差別国際運動日本委員会(IMADR‐JC)は、6月14日に、東京のヤクルトホールで第24回総会を開催しました。総会には、全国から100名をこえる会員が参加し、2012年度の活動報告、会員報告、会計報告、監査報告を承認し、2013年度の活動計画、基本日程、役員体制等も承認しました。また、総会では、総会アピールを採択しました。

総会アピールの全文は、以下の通りです。

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反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
第24回総会アピール

人類は2度の世界大戦から、国内の人権抑圧と自民族優越思想が周辺諸国への侵略につながることを教訓として学び、人権と平和が不可分であることから、国連で1948年に世界人権宣言を採択し、戦後60年以上かけて国際人権法を発展させ、各国でも国の暴走を防ぐ憲法がつくられてきました。その営々たる努力を踏みにじるような暴挙が、今、世界でも日本でも起こっています。国際人権機関から各国への勧告は無視され、本来差別をなくす責務を担う国家が、経済状況の悪化を理由に移民やマイノリティに対して差別的、排外的な政策をとる傾向にあります。国によるそのような態度は、一般の人びとによる移民やマイノリティへの排外主義を増幅させ、欧米では、反移民、反マイノリティを掲げた極右政党が支持を伸ばす結果となり、その影響は国政を左右するほどまでに強まっています。

日本においても、国内人権機関の設置など、国連からの数々の勧告が政府によって無視されるだけでなく、高校無償化からの朝鮮学校適用除外など、マイノリティの人権を無視した差別的な政策を国がおしすすめています。その結果、一般の人びとによるマイノリティへの差別意識を助長しています。新宿区大久保や生野区鶴橋など、在日コリアンの集住地域において「朝鮮人は皆殺し」等、毎週のように行われている憎悪、暴力をあおる排外的なヘイトスピーチは、その最たるあらわれであり、このような暴挙を私たちは絶対に許すわけにはいきません。

人権が政治状況によって制限されることを許す兆候は、安倍政権による憲法改悪の試みにも表れています。個々の人権の制限を許せば、次第に国の暴走は止められなくなり、軍隊をもてば戦争もできる国になってしまうことを、私たちは、過去の教訓から思い起こす必要があります。橋下市長の「慰安婦」制度容認発言や政治家の度重なる問題発言に見られるとおり、近隣諸国が関係する自国の歴史に関して、過去の日本政府の反省を伴った見解をも否定する歴史認識の改ざんは、領土問題と相まって、近隣諸国との緊張感を高め、紛争の火種を作る愚行であり、早急に是正されるべきものです。これら官民双方による人権侵害と暴走をこれ以上繰り返さないためにも、その予防策が国会において議論されるべきであり、早期に人権侵害救済法や差別禁止法の制定と国連への個人通報制度の実現が不可欠です。

反差別国際運動日本委員会は、これらの状況も踏まえ、本日の総会で、6つの柱に重点をおいた活動計画を採択しました。とりわけ今年は、狭山事件により石川一雄さんが別件不当逮捕されて50年であり、何としても検察に証拠を開示させ、東京高裁に事実調べ、再審の開始を強く求めていきます。反差別国際運動創立25周年にあたり、本日ここに集った私たちは、今一度、創立時にこめられた世界の水平運動への思いと挑戦を受け継ぎ、さらにマイノリティの国際連帯を促進し、差別の撤廃と国際人権の発展に全力を尽くしていくことを決意し、第24回総会アピールとします。

2013年6月14日
反差別国際運動日本委員会第24回総会

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