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国連人権アップデート No. 28  アフリカ系の人々に関する常設フォーラム開催/ギニアビサウの市民社会声をあげる  

2025.04.21

■アフリカ系の人々に関する常設フォーラム開催に寄せて(国連人権高等弁務官)(4月14日)

 アフリカ系の人々に関する常設フォーラム(Permanent Forum on People of African Descent)の第4会期が、2025 年4月14日から17 日にかけて、国連本部(ニューヨーク)で開催されました。この機会に、フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官がスピーチを行っています。

 本日、アフリカ系の人々の人権を前進させるために団結してこのように集うことはたいへん喜ばしいことです。先月、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約は採択から60年を迎えました。この採択は、ダーバン宣言および行動計画とともに、世界の多くの国々におけるアフリカ系の人々の権利に関する重要な進展への道筋を作りました。
 しかし、人種差別の終結という約束は未だ果たされていません。人種差別や人間性を否定するような暴言は、依然として私たちの制度、コミュニティ、オンラインプラットフォームに浸透しています。
 アフリカ系の人々の人権は、生活のあらゆる側面(生命、健康、住居、教育、雇用、司法への権利など)に影響を及ぼす構造的な人種差別により、引き続き侵害されています。
 人種差別による暴力やヘイトクライムは世界中で増加しています。そして、デジタルテクノロジーは、アルゴリズムの偏りを通じて、これらの不正を永続させ、格差を拡大しています。

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High Commissioner’s message to Permanent Forum on People of African Descent (14 April 2025)
常設フォーラム第4会期についてはこちら
Fourth session of the Permanent Forum on People of African Descent

■ギニアビサウで市民社会が人権について声を上げる (4月11日)

 西アフリカにあるギニアビサウ共和国は、1973年にポルトガルからの独立を果たしましたが、内政の混乱が続き、最近ではクーデター未遂が起こるなど、政情が不安定になっています。また、電気・水道や医療水準などのインフラにも課題を抱えています。国連人権高等弁務官事務所 (OHCHR) ギニアビサウ事務所の支援により、このたび、同国で市民社会とのコンサルテーションが開催されました。
ロザリア・ジェジョは 15 歳の時から青年活動家および人権擁護者として活動しています。現在はギニアビサウ学生連盟の全国連合の会長を務めています。ギニアビサウが、同国の人権状況と義務を評価するために、市民社会と政府による一連の協議とワークショップを開催した際、ジェジョは教育と若者のエンパワーメントという自身の関心分野について意見を述べました。
「とても勉強になりました」と26 歳のジェジョは語ります。「私は教育の権利について取り組んでいますが、市民社会グループと児童保護や健康的な環境の権利について情報交換を行いました。ですから、関連する人権問題について、とても有意義な話し合いとなりました。」
 OHCHRギニアビサウ事務所の支援により開催されたコンサルテーションは、保健や清潔な水へのアクセス、教育、持続可能な開発、男女平等、政治参加の権利、貧困や人種差別との闘いといったテーマを掘り下げる機会となりました。

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Civil society in Guinea-Bissau speaks up on human rights

■国連ビジネスと人権作業部会が、国連総会に提出する予定の「労働移動、ビジネスと人権 (Labour Migration, Business and Human Rights)」報告書に盛り込む内容について、インプットを募集しています。締切りは 4月30日。