2024.09.5

国連人権アップデート 09/05/2024 No.17

ホロコーストから80年。ロマの人々の痛ましい記憶と、より広い権利保障への希望(8月28日)

 第二次世界大戦中、多くのユダヤ人がナチス・ドイツのホロコーストの犠牲になったことが知られていますが、多くのロマやスィンティもホロコーストの犠牲になりました。最大の収容所であったアウシュビッツ・ビルケナウでは、1944年8月2日、女性や子どもを含む少なくとも4300人のロマの人々が殺害されました。今年8月2日、このホロコーストから80年を迎えたアウシュビッツ・ビルケナウで追悼のセレモニーが開催されました。これはスィンティ・ロマの人々に対する犯罪行為を忘れないためのものであると同時に、若い世代の人たちに対して、ロマの人々の権利を前進させ、ヘイトと差別をなくすための機会でもあると、OHCHRの特集は伝えています。

「『これらの収容所は悲しみの記念碑であると同時に、希望の記念碑でもあります。』ホロコースト80周年の節目に8月2日に行われた追悼式典で、ロマの権利活動家で強制収容所の生還者の子孫であるミシェル・クリストンは述べました。
『今は沈黙している強制収容所も、失われた人々の声を通して多くのことを語っています。』

ホロコーストの間、何十万人ものロマとスィンティがナチスとその協力者によって殺害されました。国によっては、第二次世界大戦前に存在したロマ・コミュニティの最大90%がホロコーストの犠牲になりました。その多くは投獄され、強制労働に使役され、強制不妊手術や医学実験の対象となりました。」

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Roma: Holocaust anniversary draws painful memories and hope for more rights (28 August 2024)

■バングラデシュでの国連人権高等弁務官事務所の活動 (8月30日)

バングラデシュでは、2018年の公務員採用におけるクオータ制度の廃止決定を裁判所が違憲と判断したことをきっかけに、今年7月以降、制度改革を求める学生団体がデモ等の抗議活動を行い、これと対立する組織や治安機関等との間で衝突が起こり、死者や負傷者が発生しました。
これを受けて、国連人権高等弁務官事務所に対して調査団の派遣が要請され、その先発隊が8月下旬にバングラデシュに到着し、学生団体の幹部と面談するなどの活動を始めています。

「高等弁務官事務所は今後数週間で、事実調査チームをバングラデシュに派遣し、抗議行動中に行われた違反や虐待の報告、根本原因の分析、正義と説明責任を前進させ、より長期的な改革を行うための勧告を行う予定です。チームは、暫定政府と治安部隊から、この作業への全面的な協力を約束されました。

高等弁務官は、バングラデシュが『強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約』(強制失踪条約)に加盟し、法執行機関によって強制的に失踪させられたとされる個人の所在を調査するため、5人のメンバーからなる国家調査委員会を設置することを発表したことを温かく歓迎します。」

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Update on UN Human Rights Office work in Bangladesh (30 August 2024)

■■イベント情報
第6回 国連責任あるビジネスと人権フォーラム(UN RBHR Forum)(アジア太平洋地域)が、2024年9月24日から27日までの日程で、タイ・バンコクで開催されます。
会場参加のほか、オンラインでも中継されます。参加・視聴には登録が必要です。
登録はこちらから。

翻訳・抄訳 反差別国際運動(IMADR)

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