2020.09.16

「パンデミックがあぶりだした制度的差別」ウェビナーで開催

9月11日、アメリカ、日本、インドにおける新型コロナ・パンデミックのもとでの根深い差別の問題をテーマに、第29回ヒューマンライツセミナーを開催しました。310人の方々の参加をえることができました。セミナーの詳しい内容はニュースレターなどを通して報告します。ここでは、パネリストの発言のごく一部をご紹介します。

モデレータ

  • スラジェ・イェングデ
  • (博士、ハーバード・ケネディスクール特別研究員、
  • ダリット活動家)

今日、アメリカ、日本、インドから参加する私たちをつなぐ言葉はBLMです。これは Black Lives Matter だけではなく、Buraku Liberation Movement(部落解放運動)も意味します。肌の色、姓、生まれた場所、世系などを理由に差別され社会から排除されてきた人びとは、実はずっと以前からパンデミックのような状況におかれてきました。ダリット、部落、そしてアメリカ黒人は、先人たちから学び、今も差別と闘っています。未来の世代に自由を約束するために闘っています。

パネリスト(報告順)

  • ラマ・ランドゥロル(アフリカ系アメリカ人仏教僧侶)

世界中の人に知ってもらいたい、アフリカ系アメリカ人はアフリカから「拉致」され「盗まれた」人びとであることを。想像できるあらゆる犯罪行為がアフリカ系アメリカ人になされてきました。私たちが直面する最も深刻な問題はマーティン・ルーサー・キング牧師の言葉に表わされています、『あなたが紙にしたためたことに忠実であれ』。紙とは、奴隷解放宣言や合衆国憲法などです。成人になって、私はアフリカ人の奴隷化に手を染めていない宗教を探し求め、最後に仏教にたどりつきました。

  • ジュディス・アン・ラル(博士、全国ダリット正義のための運動)

インド憲法制定から70年。その憲法があるにもかかわらず、インドにはカーストに基づく差別や暴力が今も存在します。パンデミックによる都市封鎖は人びとに混乱と恐怖をもたらしました。実際、政府もどう対応してよいか分からなかったのです。ダリット女性の多くはその影響を受けました。補償や支援の伴わない、自助だけが求められる政府の対応は困窮者にとって大きな打撃でした。ダリット女性や子どもへの暴力が増加しました。私たちはダリットに対してなされた犯罪が正しく裁かれるよう、これまで以上に頑張ります。

  • 川﨑那恵 (大学職員、被差別部落出身者)

アメリカ黒人やインドのダリットがパンデミックのもとで経験しているようなことが、日本の被差別部落に起きているのか、正直なところ分かりません。むしろ実態が分からないというところに問題があると思います。部落民は人口の約1%と言われているので、多くの人が部落民と出会っているはずです。しかし、学生の意識調査結果では90%近くが部落出身の友人はいない・わからないと答えています。一方、ネットでは部落に対する誹謗中傷や差別が行われています。部落民に対する差別がなぜ続いているのか。日本社会に根強くある家意識、そして戸籍制度が内包する問題に差別の根源があるように思います。それについて考えています。

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