国連人種差別撤廃委員会(CERD)の108会期が2022年11月14日から12月2日まで開催された。
今会期ではバーレーン、ボツワナ、ブラジル、フランス、ジョージア、ジャマイカの定期審査のほか、オランダとスロヴァキアのフォローアップ査定も行われました。
また早期警戒・緊急措置手続きの下、委員会は中国に対してウイグル自治区での人権侵害に関する書簡を送付しました。
個人通報制度では、ジャロー対デンマークの事案(62/2018)で人種差別撤廃条約4条c及び6条の違反が確定されました。
前会期から開始された一般的勧告37の作成プロセスに関して、委員会は次会期(第109会期)で第1次草案を発表する予定としました。また国家間通報制度の下ではパレスチナ対イスラエルの事案が引き続き議論されています。
英語 Webサイトに掲載している詳細なレポートはこちらからご覧ください。
審査国と勧告(委員会によりフォローアップに選択された勧告は「*」)
バーレーン
●データ集計
●条約の国内履行
●人種差別に対する国内法体系
●特別措置
●国内人権機関
●人種差別に関する苦情通報
●人種主義的ヘイトスピーチとヘイトクライム
●市民社会組織
●国籍の権利
●無国籍
●難民庇護
●移住労働者*
●移住家事労働者*
●人身売買*
●トレーニング
ボツワナ
●統計
●人種差別定義
●国内法体系の中での条約
●不平等に対する措置
●国内人権機関*
●人種主義的ヘイトスピーチとヘイトクライム
●司法アクセス
●人種差別に関する苦情通報
●土地、領地、自然資源
●マイノリティの政治的・公的参加
●少数民族の言語
●難民、庇護申請者、移住者
●人身売買
●偏見と不寛容に対するトレーニング、教育その他措置
ブラジル
●構成要素別人口統計データ
●条約の国内履行
●制度的枠組み
●司法アクセス
●アフリカ系女性、先住民族女性、キロンボア女性の状況
●健康の権利とコロナ禍の影響*
●教育アクセスの格差*
●貧困、就職、収入*
●居住に関する差別と分離
●政治的代表
●特別措置
●人種主義的ヘイトスピーチとヘイトクライム
●人種主義的動機による殺人
●法執行機関及び軍による暴力*
●刑事司法
●人種主義的プロファイリング
●アフリカ系宗教信仰者迫害
●人権活動家
●開発、環境、ビジネスと人権
●先住民族、キロンボアコミュニティ
●先住民族、キロンボアコミュニティの土地
●移住者、難民、庇護申請者
●ロマ
●人種主義的偏見と歴史的不正
フランス
●統計
●条約適用
●人種差別に対する取り組み
●人種主義的ヘイトピーチ
●ロマと「トラベラーズ」の状況*
●海外領地の先住民族
●マヨッテの状況
●移住者、難民、庇護申請者、無国籍者*
●保護者のない子ども
●人種・民族的プロファイリング
●過剰な暴力行使
●人権活動家*
●テロ対策
●司法アクセス
●人種主義的ステレオタイプ
ジョージア
●データ集計
●反差別法の履行
●人種主義的ヘイトスピーチとヘイトクライム*
●国籍・民族的マイノリティ
●ロマ*
●1940年代にソビエトにより強制的に移住させられた人々*
●コロナ禍での移住者
ジャマイカ
●統計
●保留
●国内司法における条約
●人種差別禁止
●複合差別
●国内人権機関
●ヘイトクライム
●民族・宗教的マイノリティ*
●移住者、難民、庇護申請者、無国籍者
●人身売買*
●人種差別に関する苦情通報制度*
●人種差別に対する教育とトレーニング
●市民社会参加
次会期
委員会の次回会期(第109会期)は2023年4月11日から28日まで開催され、アルゼンチン、ニジェール、フィリピン、ポルトガル、ロシア、タジキスタンの審査が予定されています。
*総括所見その他、108会期に提出された報告書やその他資料は国連人権高等弁務官事務所ウェブサイトを参照。
*委員会による公開会議の記録はUN Web TVで視聴可能。