国連条約諸機関のなかで最も早く作られた人種差別撤廃委員会は、2019年11月25日から始まった会期で100回目を迎えました。会期最終日の12月13日、委員会は100会期を記念する会合を開きました。長年、委員会と世界のNGOをつなぐ役割を担ってきたIMADRは、記念会合に招かれ、世界の市民社会組織を代表してスピーチを行いました。そして、同席したマイノリティ・ライツ・グループ(MRG)と人種と平等(Race & Equality)との共同で、一目でわかる委員会の概説を作りました。
国連人種差別撤廃委員会(CERD)は、アフリカ系の人びと、民族マイノリティ、先住民族、ロマ、ダリット、世系に基づく差別をうけている人びと、そして移民といった人びとに対する差別を監視しています。委員会は、人種差別を背景にして、教育・医療・裁判へのアクセス、平等な市民権、経済や文化を含む社会生活への参加などに表れる問題を注視しています。
現在ある10の国連人権条約機関のなかで、最も早く1970年に開始した委員会です。2019 年12月現在、人種差別撤廃条約に加盟している国は182ヵ国あります。これまで164の締約国が委員会の審査を受けてきました。
これまで締約国が提出した1200以上の定期報告書を委員会は審査をしてきました。10年以上にわたり定期報告書を提出していない締約国の中には、シリア(19年)、ジンバブエ(19年)、バングラデシュ(17年)、リビア(13年)、ブラジル(11年)があります。
これまで委員会は35の一般的勧告を出し、反人種差別の国際基準を明確にしてきました。
委員会は、早期警戒措置及び緊急手続きに基づきこれまで世界62ヵ国に対してアクションをとってきました。 <人種差別撤廃条約の重大な違反に対して迅速な対応をとるために1993年に設置されました。他の条約機関にはない最初で唯一の手続きです> この手続きのもと、これまで200以上の措置をとってきました。
委員会は、個人通報制度のもと受けた事案で、これまで56のケースに対して裁定を出してきました。
委員会はジェンダーギャップを飛躍的に改善しました。 1981年当時 委員の構成は 男性 100% 女性 0% 2000年当時 男性 85% 女性 15% 2019年現在 男性 50% 女性 50%