2018.11.22

女性差別撤廃委員会ネパール審査 ダリット女性に関する勧告

女性差別撤廃委員会(以下、委員会)は、2018年10月23日にネパールの第6回定期審査を行い、ダリット女性に関する数多くの懸念と勧告を含む総括所見を採択しました。以下に関連する勧告の内容を紹介します。

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政治および公的生活での平等な参加

政治および公的生活での平等な参加に関して委員会は、人口に比例した代表制(クオータ制)や人口に即したダリット女性の包摂に関する憲法の規定が未だに充分実現されていないことについて懸念を表明した。委員会は特に、ダリット女性が例えば州議会の副議長や副市長、また地域の副代表などの低い地位に過度に集中している事を指摘した。委員会はまた、地域レベルの意思決定プロセスで、選挙で選ばれたダリット女性を審議から排除したり、彼女たち任務を遂行するための能力を強化する支援が不足していることについても指摘した。委員会は意思決定におけるダリット女性の参加の重要性について公務員と社会全体の意識を向上させるようネパールに勧告した。

カーストに基づく差別及び不可触制禁止法関する法律の推進

委員会は、2011年のカーストに基づく差別及び不可触制禁止法の確実な実施をネパール政府に勧告した。第二回普遍的定期的審査(UPR)においても同様の勧告がなされており、これを再確認したものである。これに関連し、「大統領女性向上プラグラム」などを通じ憲法の「特別な機会」条項に沿った形で、ダリット女性を含む複数の交差的形態の差別(複合差別)に直面する女性たちの医療サービス、教育、安全な水と公衆衛生サービス、食料、肥沃な土地、天然資源、住居、信用と収入創出機会などへのアクセスを推進するよう勧告が出された。委員会はまた、複数の交差的形態の差別(複合差別)に直面する女性の上記へのアクセスを推進するために明確なスケジュールを持った積極的優遇措置プログラムを採択するよう勧告した。

また、一般勧告No.33(女性の司法へのアクセス)に従い、ダリット女性が継続して受けている人権侵害について司法救済へのアクセスを確保するために的を絞った財政及び法的支援を提供するよう勧告した。

委員会はいくつかの有害な慣習の犯罪化ついて歓迎したものの、ネパールでダリット女性に対する差別などの有害な慣習が未だに根強く残っていることに懸念を表明した。

平等な教育への権利

教育への権利に関して委員会は、貧困地域や遠隔地域、また“下位カースト”や他の周縁化されたコミュニティの女子生徒の低い就学率と高い中退率について指摘した。これに関して委員会は、持続可能な開発目標の目標4.5及び一般勧告No. 36 (女子と女性の教育への権利)を実施し、“下位カースト”の女子のための支援体制や奨学金制度、動機作りなどを推進して教育における平等と包摂を強化するよう勧告した。

人身売買と搾取

人身売買と搾取に関して委員会は、人身売買とその他の形態の性的搾取を根絶するために持続可能な開発目標の目標5.2に考慮するよう勧告した。委員会はまた、ダリット女性を含む女性の海外就労の禁止を解除し、人身売買のリスクと犯罪性についての意識を啓発するよう勧告した。

カーストによって細分化されたデータ

性別、ジェンダー、年齢、民族、カースト、婚姻状況、障害及び職業に沿って細分化されたデータを収集できるように統計法の改訂を進め、国の政策やプログラムを通じてデータの収集を義務化するよう勧告した。

健康

健康に対する権利に関して委員会は、医療サービスを差別なく無料で提供し、性と生殖に関する健康について学校のカリキュラムに導入することができるように公衆衛生法の審議が現在進められているにもかかわらず、医療提供者によるダリット女性への根強い差別があることについて言及した。

勧告の実施

ネパール政府は、女性差別撤廃条約への締約国として委員会の勧告を誠意を持って実施する義務がある。第7回定期報告書の締め切りは2022年の11月である。

 

**この記事はダリット国際連帯ネットワーク(IDSN)のウェブサイト・ニュースから引用しました。➡ https://idsn.org/un-womens-committee-makes-recommendations-to-nepal-to-address-discrimination-against-dalit-women/

審査後のFEDOネパールの声明はこちらから➡FEDO statement

 

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