2016.06.4

【ニュース】ヘイト・スピーチ解消法が施行されました。

    2016年5月24日、衆議院本会議において、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(以下、ヘイト・スピーチ解消法)案」が成立し、6月3日に施行されました。
 
    反差別国際運動(IMADR)はあらゆる人種差別の撤廃を追及するとともに、多民族多文化共生社会の実現を目指し、人種差別撤廃基本法の制定を求めてきました。今回施行されたヘイト・スピーチ解消法は、人種差別撤廃基本法ではなく、外国出身者へのヘイト・スピーチに特化した理念法ですが、在日外国人に対する「差別的言動」が、被害者の「多大な苦痛」と「地域社会に深刻な亀裂を生じさせている」という害悪を認め、「差別的言動は許されないことを宣言する」ものであり、日本における初めての反人種差別理念法としての意義を有し、差別の根絶に向けた第一歩となりました。
 
    しかし、「本邦外出身者」や「適法に居住する」という対象の範囲が限定されている点や、法律には禁止条項が含まれていないことなど問題点は多くあります。「不当な差別的言動等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする」との検討条項(附則第2条)に基づき改正を求めていくとともに、あらゆる差別の撤廃のために、今後も人種差別撤廃基本法の制定に向け、差別と闘う人々と共に連帯した活動を行なってまいります。

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