反差別国際運動(IMADR)ジュネーブ事務所は6月15日から7月3日にわたって開催された国連人権理事会29会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。
口頭声明 *声明の日付と実際に発言した日付は進行の都合により異なる場合があります。
・ 「沖縄の自己決定権とスリランカのアカウンタビリティ」について発言(6月24日)。沖縄の辺野古における新米軍基地建設計画とそれに伴う人権侵害に加えて、環境・人権活動家、平和活動家やデモ参加者に対する警察と海上保安庁による暴力に懸念を表明しました。2014年に国連人種差別撤廃委員会から、琉球・沖縄の人びとを先住民族と認め、権利保護と促進のための代表との対話の強化を促すよう勧告されたことを引用し、琉球・沖縄の自己決定権を尊重するよう日本政府に求めました。
また、スリランカ内戦における人権侵害を調査訴追するアカウンタビリティの仕組みに国連を含めるよう求め、それに向けて国内法を整備するよう求めました。また、そのプロセスにおいて被害者と市民社会との対話を行うようスリランカ政府に呼びかけました。声明はこちら(英文)
・ 「ヘイトスピーチとの闘いと人種差別撤廃条約」について発言(6月30日)。世界におけるネオナチなどの人種主義集団の台頭に伴うヘイトスピーチ、ヘイトクライムの高まりを懸念し、国際人種差別撤廃条約の締約国(声明発表時177ヵ国)が条約の第4条と一般的勧告35「人種主義ヘイトスピーチと闘う」に沿ったヘイトスピーチ対策を取るよう求めました。また、非締約国に条約を留保なしで批准するように求めました。さらに、日本とインドへの公式訪問を特別報告者がリクエストしたことを受け、訪問が直ちに実現されるよう呼びかけました。声明はこちら(英文)
・「ボコ・ハラムによる残虐行為からの民間人の保護」 (ナイジェリア女性協会(WOCON)との共同声明)について発言(7月1日)。ボコ・ハラムによる子どもや女性の誘拐、強制結婚、レイプや強制改宗などの残虐行為の継続と共に、ナイジェリア政府軍による超法規的処刑、恣意的拘禁や拷問といった新たな疑いにも懸念を表明し、以下の4つの措置をナイジェリア政府が行うよう求めました。
① 部における民間人の保護と政府軍による人権侵害の調査。
② 被害者とその家族の保護、補償とケア
③ 少女と女性の保護に関する法律と政策の実施
④ 権侵害および国際犯罪の加害者の訴追。
声明はこちら(英文)
サイドイベントの共催
・ 「カーストおよびジェンダーに基づく強制・奴隷労働:強制・奴隷労働におけるカーストとジェンダーの交差性との闘いにおける国連の役割」 (6月18日、国際ダリット連帯ネットワーク(IDSN)との共催)
– 司会:ローラ・ドイシカナーン氏、国連拷問犠牲者支援基金事務局
– パネリスト:
ウルミラ・ボーラ氏、現代的形態の奴隷に関する特別報告者(ビデオ・メッセージ)
コーエン・コンプレー氏、国際労働機関(ILO)シニア・スペシャリスト
マンジュラ・プラディープ氏、NGO「ナブスラジャン・トラスト」(インド)
ドゥルガ・ソブ氏、フェミニスト・ダリット協会(FEDO)(ネパール)
ミーナ・ヴァルマ氏、英国ダリット連帯ネットワーク、他
内容:国連の専門家および南アジアでカースト差別と奴隷労働問題に取り組むNGO代表らのプレゼンテーションを通し、問題の深刻さに対する国際社会の関心の低さを浮き彫りにし、国連によるさらなる取り組みを求めました。
IDSNによる報告はこちら(英語)
チラシはこちらからダウンロードできます。