国連
国連人権アップデート No. 44 女性の働く権利/薬物関連罪への死刑執行の停止を/CERD118会期終わる
◼︎ 女性の働く権利とリーダシップを促進する
人権理事会62会期中の6月24日、女性と外交の国際デーを記念し、女性の労働権と意思決定への参加に関するパネルディスカッションが開かれました。国連開発計画(UNDP)によると、世界的には女性管理職の割合は約38%、指導的地位では31%強です。全体的に見て一部改善はあるものの、女性たちは未だディーセントワークに等しくアクセスできず、無償のケア労働を担わされ、差別的な処遇を受けています。「最大の課題は、社会が家事労働を正当な労働として認めてこなかったことです」とタンザニアの家事労働者組合のアステリア・マティアスは述べました。モロッコの雇用省・職業訓練担当事務局長のワファ・アスリにとって最大の困難は仕事量ではなく、女性が指導者になることの正当性を同僚から認めてもらうことでした。「リーダーシップは、ただ名乗るだけでは得られません。力をつけ、姿勢を貫き、手本を示しながら日々築いていくものです」。元EU職員のクリスティーナ・ガラッチは、外交官や公務員を目指す若い女性に、制度上の障壁に負けず、女性リーダーの中から良いメンターを見つけ、差別に声をあげるよう促しています。
【全文】Pushing against a global backlash to protect women’s right to work and lead
◼︎ シンガポール:薬物関連罪への死刑執行の停止を求める
本日、国連専門家らは、シンガポールでは、2026年初めより、少なくとも16人が薬物関連の罪で死刑を執行されていることを非難し、不法な死刑の執行を直ちに停止するよう求めました。「国際人権法の下、死刑存置国においては、故意の殺人を伴う『最も重大な犯罪』に対してのみ死刑を科すことができます。しかし、「薬物関連罪はこの基準を満たしておらず、こうした死刑執行は恣意的な生命の剥奪にあたり、取り返しがつかず、直ちに停止されなくてはなりません」。「国際人権法の下で目指すべきは死刑制度の廃止です」と専門家らは述べました。また、外国籍者や高齢者に対して死刑が適用されていることを指摘し、判決や執行に最高年齢を設けるよう繰り返し勧告しました。シンガポールに対し、薬物関連罪による死刑執行をやめ、死刑モラトリウムを設け、市民的及び政治的権利に関する国際規約と、死刑制度廃止を定めたその第2選択議定書を批准することを求めました。
【全文】Singapore: UN experts condemn unlawful executions for drug offences
◼︎ 人種差別撤廃委員会118会期終わる
人種差別撤廃委員会は、8月25日、フィンランド、ホンジュラス、インド、クウェートの政府報告書審査の総括所見を採択し、118会期を終了しました。会期中には新しく一般的勧告40も採択されました(植民地主義、大西洋経由のアフリカ人奴隷貿易、奴隷制による被害と負の遺産、これらに対する修復的正義に関する勧告)。また、早期警戒・緊急行動手続きのもと、2026年3月2日のイスラエル軍のレバノン攻撃で激化した紛争によるレバノンの民間人の被害に関する決定、南アフリカで2026年初め頃から相次ぐ移民、難民などに対する外国人嫌悪、人種差別、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムに関する決定が採択され、タンザニアの先住民族マサイ族に対する、強制的な立ち退き、過剰な武力行使、恣意的な逮捕・勾留、脅迫、嫌がらせなどの人権侵害が繰り返されていることに関する声明が発出されました。119会期は、2027年4月12日から30日(審査対象国:カンボジア、コロンビア、ルーマニア、スペイン、トリニダード・トバゴ、ウガンダ)を予定していますが、国連流動性危機のため未確定です。
【全文】Committee on the Elimination of Racial Discrimination Closes One Hundred and Eighteenth Session after Adopting Concluding Observations on Finland, Honduras, India and Kuwait, and General Recommendation on Reparatory Justice for Colonialism, Trafficking in Enslaved Africans and Racialised Chattel Slavery