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国連人権アップデート No.34 第2次「アフリカ系の人々のための国際 10 年」/修復的正義の実現
■誓いから行動へ 第2次「アフリカ系の人々のための国際の 10年」 (8月29日)
「有色人種、アフリカ系の人々、周縁化されたコミュニティ、先住民族コミュニティ…私たちは正義、人権、機会均等のために、最善の方法で声をあげていく必要があります。」このように語るのは、コミュニティリーダーであり活動家、そしてオーストラリア・シドニー市議会に黒人女性としては初めて選出されたエメルダ・デイビス(伝統名はワスカム)です。
2023年、デイビスは第一回「アフリカ系の人々のための国際の10年」に関するアジア太平洋地域会議に参加しました。
「国連に行くことは、シドニー市議会180年の歴史で初の黒人女性議員である私にとって、ほんとうに大きな助けとなりました。」とデイビスは言います。「白人オーストラリア人への啓発に非常に大きな効果がありました。ソーシャルメディアと相まって、私たちがこの国に存在し、自己決定が本当に重要だという事実を広く知らしらせることができたのです。」
オーストラリアのサウス・シー・アイランダー(バヌアツやソロモンなど太平洋の約80の諸島から、19世紀後半、労働のためにオーストラリアに強制的に連れてこられた人々の子孫)でもあるデイビスは、企業と草の根の両分野で活動し、州・連邦・コモンウェルス機関に対し、文化的に固有の先住民知識について助言を行ってきました。
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From pledges to action: The Second International Decade for People of African Descent
■アフリカの人々とアフリカ系の人々の修復的正義の実現 (9月3日)
国連人権高等弁務官事務所は本日報告書を発表し、各国政府および関係機関に対し、公式謝罪、真実究明、追悼、医療・心理社会的支援、補償などを通じて、アフリカ人およびアフリカ系の人々に対する修復的正義の実現に一層注力するよう求めました。
報告書は、奴隷制、アフリカ人奴隷貿易、植民地主義の遺産に対する修復的正義が、アフリカ人とアフリカ系の人々に影響を与える制度的なレイシズムを解体する鍵であると結論づけています。
さらに報告書は、人種的正義への取り組みの後退が進むなか、国家、企業、宗教団体、大学、博物館などが講じる必要な措置は依然として限定的にとどまっていると指摘しています。
「体系的なレイシズムは過去に深くとらわれています。修復的正義を実現するためには、国家やその他の主体が、様々な形態の補償を含む包括的なアプローチを実施する必要があります」と、国連人権高等弁務官フォルカー・テュルクは述べます。「このアプローチが真に効果を発揮するためには、過去と現在の間の複雑な関係性を正面から検討する必要があります。それは、個人のレベルと社会のレベルの両方において、生活のあらゆる場面で、過去設計され形成された不公正な構造やシステムを解体するために必要とされます。」
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Urgent push needed to achieve reparatory justice for Africans and people of African descent
OHCHR報告書(A/HRC/60/70)はこちら