今年8月20日・21日、国連人種差別撤廃委員会(CERD)はジュネーブにて日本政府の報告書審査を行ないます。 審査に向けて、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERD ネット)は、2つの NGOレポートを同委員会に提出しました。一つは、部落、アイヌ民族、琉球・沖縄、在日コリアン、移住者など、本条約に関わる国内のコミュニティが直面する差別・人権問題に関する報告であり、もう一つは、日本が人種差別撤廃条約加入時より留保をしてきた4 条(a)項(b)項に大きく関わるヘイトスピーチの問題と、人種差別撤廃委員会が出したジェノサイド指標を参照した日本の現状分析に関する報告です。
前回2010 年の審査でCERD が出した勧告に基づき、ERD ネットは日本政府に対して、CERD 勧告の速やかな実施を求めてアプローチを続けてきました。事実、勧告の具体的な内容に関係する省庁と7回にわたる交渉や協議の場をもちました。しかしながら、それらの場を通して、積極的で前向きな結果を得ることはほとんどありませんでした。今回の審査の対象となる第7・8・9 回政府定期報告書の作成過程において、外務省は市民との対話として2012 年5 月に意見交換会を開きました。そこで出されたNGO からの質問や意見はどのように受けとめられ、今回の政府報告書に反映されたのか、残念ながら明確ではありません。政府がCERD 勧告を実施することにどれほどの関心をもっているのか、私たちは大きな疑問を抱きます。このNGO レポートのために、私たちは2010 年のCERD 勧告がどの程度実施されたのかを評価するリストを作成しました。ERD ネットはマイノリティコミュニティの運動体と人権NGO を中心に構成されています。勧告に示されたさまざまな問題に、まさに日常的に立ち向かい、取り組んでいる団体が、その視点より政府の実施に関して評価を行ないました。このNGO レポートがCERD の日本審査において重要な資料の一つとして役立つものであると考えます。
日本の人種差別が見える、このレポートを是非ご覧ください。
人種差別撤廃委員会に提出したNGOレポート
人種差別撤廃委員会に提出したNGOレポート(ヘイトスピーチ)
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