2020.06.16

人種差別の特別報告者にスリランカにおける差別の激化について情報提供

人種差別に関する国連特別報告者のテンダイ・アチウメさんは、次の国連総会で新型コロナウイルスの流行下におけるネオ・ナチズムやその他の人種主義、人種差別、外国人嫌悪及び不寛容の拡大に関する報告書の提出を予定しており、ウェブ上で広く情報提供を呼びかけました。

IMADRはその呼びかけに応じ、新型コロナウイルスが流行するスリランカにおいてナショナリストと宗教的過激派がさらに活動を広げ、民族的・宗教的マイノリティであるイスラム教徒に対する差別が激化している状況について報告書を提出しました。

報告書では今回のコロナウイルスのパンデミック下において、マイノリティであるイスラム教徒やタミル人が新型コロナウイルスの感染を拡大している、イスラム教徒が警察の外出禁止令を破っている、などの誤った情報が多数派である仏教過激派によってSNSやメディアで拡散され、マイノリティに対する憎悪が拡大していると指摘しました。こうした行為により数名が逮捕されましたが、ほとんどの事件は放置され、不処罰が蔓延しており、人種差別の扇動に歯止めが効かない状況になっていることを伝えました。

さらにスリランカ政府が3月31日に発表した感染拡大防止のために新型コロナウイルスによる死者は全て火葬にするという方針についても、公衆衛生の名を借りたイスラム教徒への制度的差別であると指摘しました。

英語の原文はこちらから

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