2016.07.12

狭山事件の再審を求めるオンライン署名にご協力を!

再審実現と無実の立証に向けた闘い


狭山事件とは、1963年5月、埼玉県狭山市で起きた女子高校生誘拐殺害事件です。 犯人逮捕に出遅れた警察に対する非難が集中する中、警察は部落出身の石川一雄さん(当時24歳)を別件逮捕し、虚偽の自白強要を行ない容疑者に仕立てました。1977年に無期懲役判決が確定された後、冤罪を立証する数々の証拠が明らかになり、再審請求が行われてきましたが、再審の扉はいまだ開かれていません。31年7ヵ月もの獄中生活のあと、1994年に石川さんは仮釈放されました。しかし、逮捕から49年を経た今も、石川さんの手には見えない手錠がかかっています。狭山事件は、部落差別と偏見に基づく見込み捜査、うその自白強要、代用監獄、証拠不開示、再審制度の在り方など、現在の日本の司法制度の様々な問題を象徴する冤罪事件です。

 

国連での訴え


ジュネーブで訴える石川さんの写真石川一雄さんは、2008年にジュネーブで行われた国連自由権規約委員会による日本審査に傍聴参加をし、日本の司法制度の見直しと公正な裁判手続きの保障を訴えました。石川さんは「アイ・アム・イノセント(私は無実です)」と断言して発言を締めくくりました。自由権規約委員会による審査の総括所見では、日本の司法手続きにおける“証拠開示”および“警察の取り調べの在り方”に関して、公正な裁判の原則に立つよう日本政府に勧告されました。

2010年5月、ピレイ国連人権高等弁務官の来日の折、石川さん夫妻は狭山裁判の不当性と再審の実現を訴えました。狭山事件について以前より認識のあったピレイ高等弁務官は、石川さん夫妻の直接の訴えを再度確認し、固い握手をかわしました。ピレイ人権高等弁務官の来日にあたっての会合の詳細はこちらをご覧ください。

ピレイさんに訴える石川さんの写真

石川さんの被っている冤罪は決して日本だけのものではありません。世界ではマイノリティに対する差別や偏見に導かれた不当な逮捕や取り調べ、そして公正さの欠く刑事裁判の事件が数多く起きています。国連の人種差別撤廃委員会は世界のマイノリティに対するこうした刑事司法手続きにおける人種差別の問題を懸念して、“刑事司法手続きにおける人種差別の防止”に関する一般的勧告31を2005年に出しました。(詳細はJC通信特集 刑事司法における人種差別をご覧ください) さらには、これまでIMADRがウェブサイトで行なってきた狭山国際連帯キャンペーンを通し、狭山事件の再審を求める嘆願書に世界各地から多くの署名の協力が寄せられています。

 

一人でも多くの声を集め 閉ざされた扉を開こう!


石川さん署名今司法に求められているのは、狭山裁判におけるすべての証拠を開示し、事実調べを行ない、一刻も早く再審を開始することです。IMADRは、狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会に参加し、新100万人署名の呼びかけを行なっています。以下のウェブサイトより署名の協力をお願いいたします。

狭山事件の公正な裁判―事実調べと再審を求めます。
狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会によるオンライン署名ページへ

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