2019.07.15

参院選 人権法制度の整備に関する政党アンケート

人種差別撤廃NGOネットワークを含む人権NGO8団体(詳細は末尾)は、国内における人権保障の実現に欠かせない、1.包括的な差別禁止法の制定、2.独立した国内人権機関の設置、そして3.個人通報制度の導入の3点について、7つの政党に向けたアンケートを実施しました。7月20日現在の回答結果をここに紹介します。なお、回答は政党名五十音順に紹介しています。

アンケートの質問に関する説明文についてはこちらをクリックしてください→https://imadr.net/wordpress/wp-content/uploads/2019/07/questionnaires-statement.pdf

1. 包括的な差別禁止法の制定は必要と考えますか? その理由は?

公明党     回答は見送ります。

国民民主党   はい。 

■一人ひとりの基本的人権をさらに尊重する社会、多様な個性や価値観が認められる人権尊重社会を実現するために、人権を守る「人権委員会」を設置する法律を作ります。 また、人種・民族・出身などを理由とした差別を禁止する法律の制定など、国際人権基準に基づき、差別撤廃に向けた取り組みを加速します。

社会民主党   はい。

■悪質なヘイトスピーチを根絶させるためにも、包括的な差別禁止法の制定は欠かせないと考えます。

自由民主党   いいえ。

■自由民主党は、人権侵害に対し、「人権教育・人権啓発推進法」(平成12年)、「ストーカー規制法」(平成12年)、「児童虐待防止法」(平成12年)、「配偶者暴力防止法」(平成13年)、「総合法律支援法」(平成16年)、「裁判外紛争解決法」(平成16年)、「高齢者虐待防止法」(平成17年)、「障害者虐待防止法」(平成23年)、「ヘイトスピーチ解消法」(平成28年)、「部落差別解消推進法」(平成28年)などきめ細やかな個別法を制定し、人権擁護に積極的に取り組んできました。 今後も自由民主党は、差別や虐待の被害者等人権を自ら守ることが困難な状況にある人々を個別法の充実により積極的かつ細やかに救済します。

日本維新の会   回答は見送ります。

日本共産党   はい。

■日本では、特に雇用における差別的取扱(性や雇用形態による差別)、ハラスメントなど深刻な間題が多数超きていながら、不十分な労働法制のため、労働者の立場に立った迅速な解決が困難になっている。 包括的差別禁止法が、労働分野の賃金、労働条件を適用対象とし、「禁止される行為」を、直接差別、間接差別、ハラスメント、セクシュアルハラスメントなどと規定することで、司法救済以前に、簡易迅速に対応できるようになれば大きな前進となる。 差別禁止によって保護されるのは、諸外国を参考にするならば、国籍、民族、性別(妊娠又は出産・ 育児) 、信条、宗教、障害、年齢、性的指向などが考えられる。 また労働以外の分野としては、教育、団体への加入等、社会保障、民間サービス等が適用対象となっている例が多く、検討事項となる。 なお部落問題は、わが国の封建的身分の残滓であり、今日、国民の多くが目常生活で部落問題に直面することはほとんどなくなっていること、部落差別解消法には「部落差別」の定義がないなど、そもそも立法事実に欠けるなどから、新たな包括的差別禁止法の対象とすることは不適切である。

立憲民主党   はい。

■私たちは参院選の公約に「包括的な差別禁止法の制定」を掲げています。人種差別撤廃委員会からの再度にわたる勧告についても、会議を傍聴した所属議員の見聞も判断の素材として、法務部門会議でも議論してきました。国際人権基準に到達することは、東京オリンピック・パラリンピックを開催する日本の国際的責務です。

2-1)  国内人権機関の設置に関してはこれまで3度国会に上程され、その成り行きとその後の動きについて国際社会は関心をもって見てきました。 独立した国内人権機関の設置は必要と考えますか?また、その理由は?

公明党      回答は見送ります。

国民民主党   はい。 

■ 一人ひとりの基本的人権をさらに尊重する社会、多様な個性や価値観が認められる人権尊重社会を実現するために、人権を守る「人権委員会」を設置する法律をつくります。

社会民主党   はい。

■ 社民党は今回の参院選も含め、国政選挙の選挙公約で政府から独立した国内人権機関の設置を掲げ続けています。人権政策推進の観点から必須だと考えるからです。

自由民主党   いいえ。

■ 平成24年、当時の政府・民主党の提出した「人権委員会設置法案」が定める「人権侵害行為」は、その定義が曖昧で、人権委員会が新たな人権侵害行為を誘発し、言論統制社会を招来するおそれのあるものでした。また、人権委員会は強大な権限を持つ独立行政委員会で、現行の人権擁護制度で99%以上の人権侵害事案が処理されており、個別法も充実しているなかで新たに機関を設置することは行政改革の流れに逆行します。差別や虐待の被害者等人権を自ら守ることが困難な状況にある人々にとって必要なのは、人権委員会ではなく、個別法の充実による積極的かつきめ細やかな救済です。

日本維新の会   回答は見送ります。

日本共産党   はい。

■パリ原則にもとづく国内人権機関は早急に必要である。 しかしながら、法務省がこれまで国会に提出してきた人権擁護法案、人権委員会設置法案はいずれも問題の大きいものであり、賛成できない。

立憲民主党   はい。

■ 国内人権機関の設置もまたパリ原則の基づく国際的な要請です。3度の国会上程にもかかわらず実現していない現状を打開しなければなりません。日弁連や各地の弁護士会も設置を強く求めているように、立法府の積極的な対応が必要です。内閣府に設置することもふくめ党内議論を進めていきます。

2-2)望ましい国内人権機関の組織・機能などについて、国際的な先例を参考にしながら、政党あるいは超党派の国会議員間において検討をすべき であると考えますか? またその理由は?

公明党      回答は見送ります。

国民民主党   はい。 

■ 人種・民族・出身などを理由とした差別を禁止する法律の制定など、国際人権基準に基づき、差別撤廃に向けた取り組みを加速します。

社会民主党   はい。

■ 設置が実現しても、実効性のあるものでなければ意味がありません。そのために早急に党派を超えて検討を開始すべきです。

自由民主党   いいえ。

■ 2-1)の理由と同じ。

日本維新の会   回答は見送ります。

日本共産党   はい。

■国内人権機関の設置に向けては、パリ原則の要請である独立性の確保の徹底が重要である。 また、先に指摘した、労働分野を対象とすることが必要である。一方、日弁連は、日本において国内人権機関がとりわけ必要な理由として、①子どものいじめ・体罰・虐待問題解決のため、②障がいのある人の権利救済のため、③公権力による人権侵害救済のための3つを上げている。こうした指摘などを総合的に議論し、制度設計していく必要がある。

立憲民主党   はい。

■現在立憲民主党に所属している議員を中心に、野党は、人種差別撤廃施策推進法をかつて議員立法として提出しました。しかし与党との溝が埋まらなかったため、ヘイトスピーチに特化した法律で一致して、解消法の成立に至った経験を持っています。国内人権機関についても、与野党間で議論する枠組みを作ることを検討します。

3-1)日本政府は国連の場で、個人通報制度については国内の裁判制度との整合性も含め、導入の可能性について検討していると答えてきました。日本はこの前向きな姿勢を推し進め、個人通報制度の導入を早急に実現すべきという考えを支持しますか?また、その理由は?

公明党      回答は見送ります。

国民民主党   はい。 

■ 人権条約に認められた権利を侵害された個人が、条約機関に直接訴え、国際的な場で救済を求めることができる個人通報制度というものがあります。これを定めている関係条約の選択議定書を日本が批准することを目指します。

社会民主党   はい。

■ 多くの国が導入済みの個人通報制度がなく、国連からも繰り返し勧告を受ける日本の現状は国際的にも恥ずべきものです。早急に導入すべきです。

自由民主党   いいえ。

■ 個人通報制度の受入れの是非については、個人通報を受理する委員会の見解とわが国の裁判所の確定判決の内容が異なる場合など、わが国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無、個人通報制度を受け入れる場合の実施体制等、多くの検討課題があり、なお慎重な検討が必要と考えます。

日本維新の会   回答は見送ります。

日本共産党   はい。

■ 女性差別撤廃条約選択議定書の批准、個人通報制度の確立をもとめる請願は、参議院において2001年から18 回にわたって採択されてきた。個人通報制度の確立は待ったなしである。

立憲民主党   はい。

■日本政府が「検討している」と答えているのですから、それを推進するのは立法府の責任です。すべては国際的に確立された人権基準に対して、人権後進国・日本がどれほど切実に認識し、遅れを埋めていくかです。政党とともに個々の国会議員の役割が問われています。

3-2)個人通報制度について、政党あるいは超党派の議員レベルで検討する機会をもつべきと考えますか?また、その理由は?

公明党      回答は見送ります。    

国民民主党   はい。  

■ 明記なし

社会民主党   はい。

■ 一日も早い導入へ、検討開始は待ったなしです。社民党も強く訴えていきます。

自由民主党   いいえ。

■ 政府・個人通報制度関係省庁研究会において、個別具体的な事案等も見つつ、個人通報制度がわが国にも適用された場合の影響等について検討が進められているところであり、政党間の検討は、なお時期尚早と考えます。

日本維新の会   回答は見送ります。

日本共産党   はい。

■ 個人通報制度をもとめる運動と連携して、国会でも議論を加速し、あらためて参議院での請願採択、そして政府に制度化をもとめたい。

立憲民主党   はい。 ヘイトスピーチ解消法成立のプロセスを振り返れば、超党派で議論できる場を設定することが重要です。立憲民主党としても議論を進めていくと同時に超党派での検討ができるよう、引き続き努力をしていきます。上記の問題をふくめ、人権問題は党派を超えた歴史的課題です。みなさんとともに進んでまいります。

各政党からの回答の一覧表はこちらからもご覧になれます→https://imadr.net/wordpress/wp-content/uploads/2019/07/httpsimadr.networdpresswp-contentuploads20190720replies-as-.pdf

アンケート実施団体

人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)
外国人人権法連絡会
移住者と連帯する全国ネットワーク
NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
国内人権機関と選択議定書を実現する共同行動
在日韓国人問題研究所(RAIK)
外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)
反差別国際運動(IMADR)

問合せ先:反差別国際運動(IMADR)

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