2021.03.26

国連人権理事会46会期報告(2021年3月)

スリランカの人権、マイノリティに対するヘイトスピーチ、ブラジルの警察による人種差別について働きかけました。

反差別国際運動(IMADR)は2月22日から3月24日にわたって開催された国連人権理事会46会期において、以下の活動を通して国際社会への働きかけを行いました。

これらの活動は皆様からの寄付と会費によって支えられています。ぜひ寄付または会員としてのご支援をご検討ください。

口頭声明の発表

「スリランカにおける和解、アカウンタビリティおよび人権の促進」(2月24日)

要約:バチェレ国連人権高等弁務官のスリランカ報告書を歓迎すると共に、同国における司法や主要な独立機関の弱体化、人権活動家を含む市民社会の抑圧、タミル人やムスリムのマイノリティに対する差別といった一連の人権の保護・促進における歩みの後退について懸念を表明しました。この現状に対し、スリランカに対する国際的なアカウンタビリティのメカニズムを引き続き求めつつ、人権理事会が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によるモニタリングと人権侵害の証拠収集と保存の権限を与えることを要請しました。

声明はこちら(英文):https://imadr.org/ohchr-report-srilanka-hrc46-2021-os/

「ソーシャルメディアにおけるマイノリティに対するヘイトスピーチ」(3月15日)

要約:キルギスタン公式訪問報告書を含むマイノリティ問題に関する特別報告者の報告書の発表を歓迎しつつ、ソーシャルメディアにおけるマイノリティに対するヘイトスピーチに関する報告書の中でソーシャルメディアの意思決定におけるマイノリティの参加の必要性について特別報告者が指摘していたことに関して、ソーシャルメディア企業とマイノリティが協議するために国家が果たすべき役割について質問しました。また、特別報告者によるソーシャルメディアにおけるマイノリティに対するヘイトスピーチ対策に関するガイドラインの作成を支持しました。

声明はこちら(英文):https://imadr.org/hatespeech-minorities-socialmedia-hrc46-2021-os/

「アフリカ系ブラジル人に対する警察の暴力」(3月19日)

要約:2018年3月にリオデジャネイロで黒人女性議員であり人権擁護者であるマリエル・フランコさんが元警察官に殺害された事件から3年が経過したにもかかわらず、加害者は未だ裁判にかけられておらず、真相も究明されていないことを指摘しました。パンデミックにおいてもアフリカ系ブラジル人に対する警察の暴力が起き続けていることを非難しました。2020年には約1230人が警察によって殺害され、そのほとんどが若い黒人男性です。ボルソナロ大統領が就任してから状況が悪化していることを指摘し、ブラジル政府が警察による暴力や殺人の真相を明らかにし、国連の人権システムと協力し、警察による殺害を発生させている政策を直ちに見直すよう求めました。

声明はこちら(英文):https://imadr.org/police-violence-afro-brazilians-hrc46-2021-joint-os/

*この声明はマイノリティ・ライツ・グループ・インターナショナル、マリエル・フランコ・インスティテュート、人種と平等(Race and Equality)との共同声明です。

また、以下の口頭声明に賛同しています。

サイドイベントの共催

国際ダリット連帯ネットワーク(IDSN)と協力し、フォーラム・アジアおよびマイノリティ・ライツ・グループ・インターナショナルと「オンラインでのカーストヘイトスピーチの影響」に関するサイドイベントを3月22日に共催しました。

イベントの録画はIDSNのFacebookページでご視聴できます:https://web.facebook.com/dalitnetwork/videos/1006195179911312 

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